第3話:野菜づくりで切り拓く、家族の未来

皆さん、こんにちは。
寒くなったり温かくなったりと気温差がある日々が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、モンゴル西部から届いた、家庭菜園に挑戦し 家族の暮らしを支える一人の女性の物語をご紹介します。

「何から始めればいいかわからなかった」母親が育てた希望の畑

バヤンウルギー県ウルギー市に暮らすフラライさんは、2人の子どもを持つ母親です。5年前、より良い生活の機会を求めて家族でウルギーに移住しました。

しかし、小学校教員の資格は持っていたものの、移住後も学校で働く機会はなく、専業主婦として家庭を支えてきました。夫は地元市場で荷役のアルバイトをしていましたが、家計を支えるだけの十分な収入はありませんでした。

そんなフラライさんに、新しい収入と家族の食料を確保するすべをもたらしたのが、ADRAの農業プロジェクトでした。

「庭で野菜を育てたいと思っていたのですが、何から始めればいいのか全くわかりませんでした」

とフラライさんは語ります。

 「プロジェクトを通じて、夫と一緒に野菜づくりのメリットや、さまざまな作物の育て方を学びました。研修と指導のおかげで、家族の一年分の野菜を収穫できるようになったんです」

プロジェクトで行われる農業理論や実習の研修に積極的に参加する中で、フラライさんは知識を身につけ、自宅での家庭菜園を自信を持って始めることができました。その努力は、待ち望んだ初収穫という形で実を結びました。

この成功を基に、フラライさんはプロジェクト参加者のグループリーダーにも任命され、さらにプロジェクトの一環で「パッシブソーラー温室(※)」も建設。栽培期間を延ばすことで、さらに家庭の収入を増やすことにも成功しました。

(※)パッシブソーラー温室とは 機械装置に頼らず、建物の断熱性・気密性を高めることで、太陽熱などの自然エネルギーを効率的に活用する、省エネルギーで持続性の高い温室です。

「家庭菜園を始めてから、家族の絆も深まりました。子どもたちも進んで温室で手伝うようになりました」

とフラライさんは話します。

 この新しい生活は、収入と食料確保をもたらしただけでなく、彼女自身に生きがいや充実感も与えているのです。

たくさんの野菜を栽培できるようになったフラライさん夫婦

誰でも学べて実践できる農業研修

フラライさんが参加するADRAの「気候変動対応型・栄養に配慮した農業プロジェクト(CANSAP)」 では、農業経験がない人でも安心して参加できるよう、段階的な研修を行っています。

まずは、土作りや水やり、野菜の育て方などの基本を学ぶ「勉強の時間」。次に、温室づくりや畑の工夫を通じて、実際に野菜を育てる「実践の時間」へと進みます。

研修では農業の基本から学びます

研修では育てた野菜の保存や加工方法から販売する方法まで学ぶことができ、参加者は家庭でもすぐに実践できるよう工夫されています。研修はモンゴル語とカザフ語の両方で行われ、マニュアルやパンフレットも配布され、誰もが理解しやすく、「できる」という自信が芽生え、暮らしにも変化が生まれています。

野菜を加工することで保存はもちろん、販売の幅も広がります

これらの活動は、皆さまの温かいご支援に支えられています。
今後も皆さまのご支援と応援を、地域の人々の希望と自立につなげていきます。

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