第5話:数字が語る、確かな変化

皆さん、こんにちは。
だんだんと春らしい気温になってきましたが、皆さんいかがおすごしでしょうか。
モンゴルで農業を営む人々を支えるストーリー、最終回となる第5話では、数字に裏付けされた確かな成果をお伝えします。

不可能と言われた土地で、10万キロの野菜が実った

「この町では、野菜なんて育たない」
ずっとそう言われてきたバヤンウルギー県。
でも今、確かな成果が出ています。

2025年の春から秋にかけて、150の家庭がADRAの「気候変動対応型・栄養に配慮した農業プロジェクト(CANSAP)」に参加し、野菜づくりにチャレンジしました。
その結果、収穫された野菜の総量は10万キロを超えました
トマト、キュウリ、キャベツ、レタス、ジャガイモなど、10種類もの野菜が元気に育ちました。

#VegetablesTotal field                   /м²/Total harvest              /kg/Unit cost /MNT/Sales incomeTotal income 
1Carrot1,6464,1152,5001,028,75010,287,500
2Red beet1,2403,7203,5002,604,00013,020,000
3Cabbage1,3704,3842,5002,192,00010,960,000
4Tomato1,1903,5705,0005,355,00017,850,000
5Cucumber2,33746,7405,000140,220,000233,700,000
6Pepper6521,9566,0002,347,20011,736,000
7Lettuce6911,7286,0002,073,00010,365,000
8Turnip9812,9432,5001,471,5007,357,500
9Onion1,3173,2932,5001,646,2508,231,250
10Potato9,00236,0081,80038,888,64064,814,400
TOTAL20,426108,456197,826,340388,321,650
HHs150150
Income per household1,318,8422,588,811
150世帯の農家における、収穫量および収入に関するデータ。「HHs」は「Household(世帯)」の略

そして、1世帯あたりの収入は日本円換算で約11万円にのぼり、前年の2倍以上になりました。 これまでは、収穫量や販売量は農家それぞれの感覚で語られることがほとんどでした。
しかしADRAの販売研修を受けた農家たちは、どれだけ収穫できたのか、いくらで販売したのかを、すべて数字で記録するようになりました。
「なんとなく」で続けてきた農業が、少しずつ見える化され、きちんと管理される営みへと変わってきたのです。

研修では栽培や販売の管理方法も学びます

支えるしくみがあるから、挑戦できる

この成果の背景には、きめ細かい支援があります。

たとえば、温室を建てるための費用です。最近は資材の価格が上がっていて、1棟あたりモンゴルの通貨で300万MNT(モンゴルトゥグルグ)、日本円にすると約15万円ほどかかります。

このプロジェクトでは、経済的に厳しい家庭の負担を軽減するために、補助金の支援額を増やしました。

さらに、150世帯に、家庭菜園を始めるために必要な道具――鋤(すき)・鍬(くわ)・熊手(くまでなどの農業用具と、8種類の野菜の種を配布しました。

こうした支援によって、家庭菜園を始めるための環境が整い、「自分にもできるかもしれない」と一歩を踏み出す後押しとなっています。

モンゴルの農業が変わった!

2025年7月、ADRA スタッフと州知事、郡知事との話し合いの場がもたれ、プロジェクトの成果や今後の課題について、みんなで意見を出し合いました。

「この取り組みは、地域の農業を変えただけでなく、人びとの暮らしと考え方まで変えました」
――そんな評価の言葉を、現地の政府関係者からもいただきました。

ADRA事業に参加する農家の前向きな変化を高く評価する現地政府関係者
農業用具を受け取り、新たな一歩を踏み出す農家の皆さん

みんなの未来につながるプロジェクト

CANSAPプロジェクトで支援するのは、農業技術だけではありません。

人びとが協力し合い、学び合い、そして自分たちの手で生活をよくしていく――そんな力を育てています。

この変化を、もっと多くの家庭へ。
あなたのご支援が、地域の未来を育てる力になります。
どうか、引き続き温かい応援をよろしくお願いいたします。

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