
ウクライナでは戦争が長引き、日常生活そのものが大きなストレスにさらされています。避難や日々の生活の不安だけでなく、心に深い傷を抱える人も少なくありません。新たに心の問題を抱える方もいれば、もともとあった悩みや症状が悪化してしまう方もいます。
ADRA Japanは、ウクライナ国内のどこからでもアクセスできるオンラインによる心のケア支援を行っています。臨床心理士によるカウンセリングやグループセッションを通して、多くの方が少しずつ前を向けるよう寄り添っています。
今日はそのグループセッションに参加してくださった、ナタリアさん、ビクトリアさん、マキシムさんの声をご紹介します。
ナタリアさんのケース~親子の関係を取り戻す~
10歳になる息子さんとの関係に悩んでいたナタリアさんは、ADRAの支援を受けることを決めました。親子でカウンセリングを受けた際、カウンセラーは息子さんの話に耳を傾け、その上で母親であるナタリアさんとどうすれば関係がうまくいくのか、一緒に考えてくれました。
「今は息子がだいぶ落ち着きを取り戻し、親子の関係も改善しました。この支援、そして一人ひとりに合ったアプローチを真摯に考えてくれるカウンセラーに心から感謝しています。」
ビクトリアさんのケース~自分の気持ちと向き合う~
母親と暮らすビクトリアさんは、長年「自分のことばかり考える母親」に苦しめられてきました。周囲からの勧めでADRAの支援を受け始め、臨床心理士と共に問題を整理しながら、自分の気持ちと向き合う方法を学びました。
同時に、母親との関係においても「いい人になりすぎず、自分の気持ちに素直でいること」の大切さを学んだといいます。
「母親の性格を変えることはできません。でも、自分の気持ちを整理し、母との関わり方を工夫することで、以前よりずっと楽になりました。すぐに解決はできないけれど、今植えている種がゆっくりと成長していくと信じています。1年前の私と比べたら、まるで別人のようです。カウンセラーは何をすべきか指示するのではなく、一緒に考え、自分で答えを見つけられるよう支えてくれます。とても感謝しています。」
マキシムさんのケース~不安障害と向き合う~
マキシムさんは長年、不安障害に悩まされてきました。カウンセリングを通して、自分の問題を整理し、その原因を一緒に探る過程で大きな発見があったといいます。
「今は自分の思考パターンを理解し、それを変えていく作業をしています。このような心のケアを受けるのは初めてでしたが、大変満足しています。とても助けてもらい、感謝しています。」
戦争が続く中で増える「心のケア」の必要性
戦争が長引くウクライナでは、ナタリアさん、ビクトリアさん、マキシムさんのように、心のケアを必要とする人たちが急速に増えています。
ADRAはこれからも、ウクライナ国内の誰もがアクセスできるオンラインによる心のケア支援を続けていきます。
どうぞ皆様のご支援をよろしくお願いいたします。


