2026年2月24日で、ウクライナ危機は丸4年を迎えます。
衝撃的なニュースが世界中に広がった日から、すでにこれほどの時間が経ってしまいました。
ウクライナでは、今もたくさんの人が「日常」が戻る日を信じて、今日という日を生きています。

終わらない不安と悲しみの中で人々の笑顔を取り戻すために

戦争が長期化するウクライナでは、今や国内の6割の人々が、心の中に抱えた孤独や恐れに苦しんでいるといわれています。
急に4人の子どもの里親になり、心に傷を負った幼子にどう接していいかわからない…
夫を失った喪失感から立ち直れない…
息子が笑わなくなった…
そんな悩みが尽きない中、私たちアドラ・ジャパンは一人ひとりに寄り添う心のケアを届けています。

ウクライナの現状 2025

上の地図は、2025年7月18日~10月17日の3か月間にウクライナ国内の空爆・ドローン攻撃(水色)や交戦(エンジ色)等の発生状況を示したものです。この90日間にあった空爆・ドローン攻撃は6,628件。砲撃や戦闘、地雷などの爆発を含めると、人々は約20,000件の暴力にさらされており、この期間だけで782人の民間人が命を落としています。特に東部では激しい戦闘が続き、ウクライナ全土でいつ空から爆弾が落ちてくるかわからない状況です。
https://acleddata.com/monitor/…

「ウクライナ人道ニーズ・対応計画 2025」によると、ウクライナでは約1,000万人が何らかの精神的な健康問題を発症すると推定されています。また、84%の世帯が「子どもの心理的苦痛」を重大なリスクと感じており、子どもの安全感の喪失や家庭内ストレスの増加が報告されています。

長期化する戦争による不安や経済的困難の中で、大人たちのストレスが限界に達し、子どもたちが暴力や虐待のリスクにさらされる懸念も指摘されています。

ADRAでは、ウクライナ危機の発生当初から、食料や生活必需品の提供、現金給付など、命をつなぐ支援を届け続けています。それと同時に私たちが大切にしてきたのが、「心を支える」心理社会的支援です。 

心理ケアを受けた方の声

フォスターマザーのユリヤ・スタニスラヴォヴァさん

「私は突然、4人の小さな子どもの母親になりました。子どもたち同士の年齢が近くて、とにかく不安でいっぱいで、最初はたくさんの厳しいルールで子どもたちを縛っていました。生き抜くために必要だと思っていたからです。でもアドラの心のケアを通じて、ルールは子どもの「安全」と「健康」に焦点を当てるべきだと学びました。すべてを自分でコントロールすることはできない――自分にできる範囲のことに力を注げばいいという気づきもあり、不安も軽減されました。今では、子どもたちを理解しながら向き合うことができています。」

2人の子どもと暮らすヴィクトリア・ヒティウクさん

「『愛情表現』のグループセッションで、子どもたちが何を求めているのかを改めて考えることができました。息子は言葉で褒められることを、娘は温かいスキンシップを求めていることに気が付きました。今は、子どもたちの境界線を尊重しながら、それぞれに合った方法で愛情を伝えるようにしています。」

突然、大切な人を失ったスビトラーナさん

スビトラーナさんは、ウクライナのジトーミル市で生まれ育ち、家族とともに穏やかな日々を過ごしていました。 

夫と娘のマリアさんと3人で、笑いの絶えない日常を築いていたといいます。 

しかし、ある日突然届いた、「夫が前線で命を落とした」という知らせ。 

それは、雷に打たれたような衝撃でした。 

愛する人がもう戻ってこない現実に、スビトラーナさんは心も身体も深く傷つき、言葉にできないほどの悲しみが彼女を襲いました。同じく深く傷ついた娘のマリアさんも、ふさぎ込む日々が続きました。 

スビトラーナさんは、どうやって娘を支えたらいいのか、自分の心をどう立て直せばいいのか分からず、毎日がただ苦しいだけの時間でした。 

そんなとき、病院の医師から紹介されたのが、ADRAウクライナの臨床心理士・ユーリヤでした。 

スビトラーナさんは、当初は心を閉ざしていましたが、ユーリヤとの面談を重ねる中で、少しずつ言葉を発するようになりました。夫を失った悲しみが消えることはありませんが、その痛みとともに生きていく方法を学び、彼女は新たな生活へと一歩ずつ前に進み始めています。 

MHPSSグループセッションの様子

また、ユーリヤは、ただ話を聞くだけではなく、母と娘が一緒に立ち直るための時間を丁寧に作ってくれました。 

次第に、スビトラーナさんの表情には穏やかさが戻り、マリアさんには再び笑顔が生まれました。 

今では、マリアさんには新しい友人ができ、スビトラーナさんも地域の人々とのつながりを感じられるようになりました。 

あなたのご支援で、心のケアを届け続けられます 

この3人の物語は、ウクライナで起きている無数の物語のうちの、ほんの一例にすぎません。目には見えない心の傷を乗り越え、人生を立て直し始めている人が、1人、2人と増えていっています。しかし、いまだ多くの人が「誰にも頼れない」と感じ、孤独のなかで苦しんでいます。特に、障害のある方や、孤立した高齢者、心のケアを受けにくい子どもや若者、女性たちは、支援の届きにくい立場に置かれています。 

この支援を途切れさせることなく、2026年4月から8月にかけて、ウクライナ全域で400人への心理社会的支援を計画しています。  

心理社会的ケアの活動は、現金給付や食料・衛生キット、教育キットなどを配付する際にチラシ等を配布して告知しています。また、相談を受けた方が周囲の困っている人にサービスの存在を伝えることでも広がっています。

心理士コーディネーターは、相談やリクエストを収集・整理し、裨益者に連絡してセッションへ招待します。裨益者の抱える問題が複雑な場合は、必要に応じて専門機関や専門家へ紹介することも可能です。

この活動は、個人またはグループセッションを通じて実施されます。 

個人セッション:月80回

これまでに多く寄せられた相談は以下の通りです。

  • 心理的消耗、不安、パニック発作(特に家や支援を失った25〜45歳の母親)
  • PTSD症状、フラッシュバック、不眠(砲撃や占領、身近な人の死を経験した人)
  • 孤立感、無気力、抑うつ(特に孤独な高齢者)
  • 子育ての困難や思春期の不安(国内避難民の母親や13〜17歳の若者)
  • 将来への不安、意味の喪失、情緒の混乱(引っ越しや失業を経験した人)

共感的な支援や心理教育、呼吸法・身体調整などの感情安定のための基本的ツールが提供されます。

グループセッション:月2回(必要に応じて回数を増やすことも可能)

心理的困難を抱える方を対象に、性別や年齢、課題の共通性に基づいて支援グループを編成します。セッション内容や日程はSMSで通知され、専門家の事前相談や他プログラムからの紹介をもとに対象者へ案内が送られます。安心して体験を共有できる場を提供し、対話、情緒安定のためのエクササイズ、危機の乗り越え方、心理的セルフケアの方法などを行い、内容は参加者に合わせて調整されます。

カウンセリング料金
個人セッション 1回(30~60分):7000円
グループセッション10人分:7000円 

7000円で1人が個人セッションを、または10人がグループセッションを受けられます。1ヶ月の間、支援を受ける人は何度でも相談が可能で、4ヶ月で400人への継続的な支援を目指しています。 

1口7000円のご寄付で花の種をプレゼント 

7,000円のご寄付で、ウクライナの方の心に花を咲かせる力をお寄せくださいませんか?
12月中にご寄付いただいた皆さまには、ADRAから特別に『お花の種』をお届けします。
どんな花が咲くのかは、届いてからのお楽しみです!

ご自宅の窓部や庭先でゆっくりと育てながら、あなたが咲かせた花がウクライナの誰かの胸で揺れている…そんな春を想像していただけたら嬉しいです。 
 
ひとつのアクションが、誰かの人生に静かに、確かに光をもたらします。
皆さまとよりたくさんの花を咲かせたいと、心から願っています。

※2口以上のご寄付でも花の種のお届けは1袋となります。匿名でのご寄付の場合は、お届けできない旨ご了承ください。

これまでの主なウクライナ活動実績(2025年7月31日時点)

食料支援   2,654,640

オレナと母親のオクサナ

ある日、砲弾が彼女たちの仮の住まいに直撃し、オクサナと娘は負傷し、母親は亡くなりました。しかし、オクサナは生きる力を見つけました――子どもたちや、助けを必要とする人々のために。自分自身が悲劇に見舞われながらも、オクサナは他者を支援し続けています。

ADRAウクライナやパートナーからの人道支援のおかげで、私たちも他の人を助けることができます。本当にありがとうございます。」と彼女は微笑みます。

オクサナは自身が食料支援を受け取るだけでなく、それを最も必要としている人々に届ける活動にも参加しています。

現金配付や家賃などの資金援助   166,080 人                      

アリーナ・ヴイツィク

ヘルソンに住むアリーナさんと母親のオリガさんのアパートは、カホフカ水力発電所の爆破が大規模な洪水を引き起こし、水没しました。残ったのは破壊と絶望だけでした。

彼女たちは希望を手放さず、家を修理し普通の生活に戻ることを夢見ていましが、復興のための資金は無く、実現は遠いものでした。

ある日、アリーナは偶然近所の人から、 ADRA Ukraineが被災者への金銭的支援を提供していることを耳にしました。登録は近くの学校で行われており、アリーナと母親はすぐに申し込みました。

まもなく家族は、必要としていた経済的支援を受け取ることができ、彼女たちの家に再び命が吹き込まれていったのです。

やるべきことはまだ多く残っています。けれど、最も大切なのは「彼女たちがひとりではない」ということです。水が家の壁を流し去ることはできても、人間の優しさや連帯の力は決して失われることはありません。

避難支援   48,309 人                      

オルガ・スタカノワ

「ADRAウクライナが、医療が必要な叔父をテルノーピリ州まで連れてきてくれました。ここなら、少なくとも私が面倒を見ることができます。」

オルガさんの母親は、視力を失い寝たきりの弟と暮らしていました。しかし、彼女の母親は紛争により亡くなり、オルガさんがその叔父の世話を引き継ぐことになりました。

「彼を置いてはいけません。彼は目が見えず、寝たきりなのですから。このチームがいなかったら、私はどうしていたか分かりません。」と彼女は感情をこらえながら語ります。

カナダ政府および ADRAカナダ の資金援助のおかげで、ADRAウクライナのチームがオルガさんの叔父の移送を手配することができました。

「皆さんにとても感謝しています。もし皆さんがいなかったら、叔父はおそらくあの場所で命を落としていたでしょう。」

燃料などの越冬支援  10,267人                                 

マリーナ・ドゥバノフスカ

ウクライナの村の冬は、容赦がありません。
ドネツク地域のスィドロヴェ村に住むマリーナさんは、暖房のない冬をどう過ごせばよいか困窮していた時、ADRAが燃料ブリケットなどを提供していることを友人から知りました。

彼女はすぐに、冬の間ストーブを焚き続けられるだけの必要な燃料を受け取ることができました。

「今、私たちを暖かくしてくれるADRAに心から感謝します。」
と話してくれました。

暖かさは、単なる快適さではありません。それは命であり、この支援は何百人もの人々が「自分たちは困難の中で一人ではない」と感じながら冬を乗り越えるための希望なのです。

避難所の提供   14,031 人                                    

スビトラナ・マリク

「私の家は完全に壊れてしまって、行くところもないからここに来ました……」――スビトラナさんは涙を浮かべながら語ります。
スビトラナさんは戦火のマリウポリに1か月以上とどまっていました。毎日のように、迫りくる砲弾や爆発音。彼女はシェルターに身を潜め、明日の保証もなく耐え続けました。

やがて、砲撃で破壊された街から逃れたスビトラナさんは、リヴィウ市へとたどり着き、ADRA Ukraine の支援を受け、国内避難民のためのセンターで避難生活を始めました。ここで彼女は、必要としていた支援を受け取り、何より「自分はひとりじゃない」と感じることができました。

「支えてくれて本当にありがとうございます。困難なときに私たちを見捨てず、寄り添ってくれたことに心から感謝します!」
――スビトラナさんは、深い感謝の気持ちを込めて語ります。
人生で最悪の瞬間でさえも、助けてくれる人がいることを、今では彼女は知っているのです。

心理ケア   55,048 人                                    

心理士 マリア・ホロドワ

今は戦争の影響で人々の生活が困難かつストレスの多いものになっています。自分の強い感情をうまくコントロールできず、仲間同士の口論が深刻な対立に発展することもあります。マリアさんは、タイミングよくトレーニングを受けてることが重要だと考えています。

「ある時、二人の娘を持つ母親が私に相談に来ました。そのうちの一人が“自殺したい”と訴えていたのです。」
とマリアさんは振り返ります。

親は、子どもにこうしたことを言われたとき、どう対応すればよいのか分からないことが多いのです。恐怖、パニック、絶望……
この母親もまさにそう感じたのでした。

幸いなことに、状況は落ち着きました。
少女は単に母親の関心を必要としていたのだと分かりました。少女は自分の気持ちの伝え方が分からず、こうした言葉でしか注意を引けなかったのです。

「今もこの少女と関わり続けています。お母さんはとても感謝していて、私たちに続けてほしいと願っています。」

MOVIE

ADRA Japanについて

ADRAは、世界約120国に支部を持つ世界最大規模の国際NGOです。ADRA Japanはその日本支部として1985年に設立され、途上国や災害被災地において、人種・宗教・政治の区別なく、支援を必要としている方々に寄り添い、自立を助ける支援を届けています。日本では認定NPO法人を取得しています。

HP:https://www.adrajpn.org/
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お問い合わせ:https://www.adrajpn.org/contact/

ADRA Japanの支出内訳について

ADRA Japanでは、いただいたご寄付の20%を一般管理費としてお預かりし、ご寄付の入金管理や領収証の発行、お問い合わせの対応、活動のご報告等のために大切に活用させていただいております。また一般管理費の一部は、ご寄付が集まりにくい活動のためにも活用しております。災害被災地や途上国の活動への支出(事業費)と管理費の割合は、2023年度の実績では、事業費が93.43%、管理費が6.57%の割合でした。

ご寄付の必要は状況を見て更新してまいりますが、ウクライナ支援のためにいただいたご寄付が活動地での必要を超えた場合には、ADRAが行うほかの緊急支援活動のために大切に活用させていただきます。

寄付金控除について

ADRA Japan は東京都から認定を受けている「認定 NPO 法人」です。ADRA Japanへの ご寄付は、寄付金控除の対象となります。領収証は、ご住所のわかる方には毎年1月に、前年1月~12月までの分をまとめてお送りしております。ご希望の方には都度発行も可能ですのでお問い合わせフォームよりご連絡ください。

所得税の税額控除の場合、確定申告によって寄付金額から2,000 円を差し引いた金額の40%が所得税から控除され還付されます。また、寄付金額から2,000 円を引いた金額を所得から控除する所得控除を選ぶこともできます。

例:年間で30,000円のご寄付をした場合
所得税:(30,000−2,000円)×40%=11,200円
住民税:(30,000−2,000円)×10%=1,120円
→合計12,320円の控除(税額控除の場合)

*住民税の寄付金控除については、各自治体によって異なります。詳しくはお住まいの市区町村の税務担当課にお問い合わせください。

よくあるご質問

領収書は送ってもらえますか?

毎年1月に、前年分をまとめてお送りいたします。お送りする領収証を用いて確定申告をしていただくと寄付金控除を受けることができます。ご希望の方には都度発行も対応しております。ご入用の場合は、お問合せフォームよりご連絡をお願いいたします。

物を寄付したいのですがウクライナに届けてもらえますか?

現在、ウクライナ国内や周辺国で必要物資の調達が可能です。送るのに時間と送料をかけるよりも現地調達のほうが効率がよく、地域経済を支えることにつながりますので物を送らずに支援しております。

寄付がどのように活用されるか知りたいです。

ご寄付をいただいた方には、年4回(6月、9月、12月、3月)の機関紙「ADRAニュース」やメールマガジン配信(月末)によって活動の報告をさせていただいております。寄付がどのように役立てられているか、ぜひご覧いただけましたら幸いです。

団体情報・お問い合わせ先

名称:特定非営利活動法人 ADRA Japan(アドラ・ジャパン)

所在地:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-11-1

連絡先:Tel: 03-5410-0045 / Fax: 03-5474-2042

設立:1985年3月30日(2004年4月に法人格取得/2016年4月に認定NPO法人に認定)

代表者:理事長 柴田俊生

会計情報:財務諸表【PDF】155KB

メディア掲載:NHK、テレビ朝日、朝日新聞、読売新聞、雑誌ソトコトほか多数

ウクライナ緊急支援に関するメディア掲載

日経新聞様(2022年3月3日)
・NHK News Web様(2022年3月2日)
日テレNEWS様(2022年3月2日)
オルタナ様(2022年2月28日)
・NHK 首都圏 NEWS WEB様
・Yahoo!ニュース様
テレビ朝日 グッド!モーニング様

取材・放映・ご掲載いただいた皆さま、ありがとうございました。

*ADRA Japanの活動は皆さまからのご寄付によって支えられています。ご寄付は支援を必要としている方々に届けるために大切に使わせていただいております。

ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

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