「もう一度、子どもらしい笑顔を」──母の願いと届いた支援

前回に引き続き、ADRA の現金給付の支援を受けた一人の女性、オクサーナさんの物語をご紹介します。

ウクライナ東部・ハルキウ州。
オクサーナさんは、二人の幼い子どもを女手ひとつで育てています。
日々響く砲撃音と、張り詰めた空気。その中で、彼女の心配はいつも子どもたちの健康と心の状態です。

今年2月、長男が体調を崩し始めました。
「もしかしたらストレスのせいかもしれません。分からないけれど、病院通いが増えました」とオクサーナさんは話します。

家族は定期的にハルキウ市まで検査に通います。市内の交通は無料でも、そこまでの移動は自費。車を持たない彼女は、公共交通を乗り継ぎ、時間とお金をかけて通うしかありません。

さらに、3歳半になる次男は、ほとんど言葉を話しません。
神経科医に相談したところ、「ストレスの影響かもしれない」と診断され、投薬治療が始まりました。
「ストレス、ストレス……そう言われるたび、胸が締めつけられます」と彼女はつぶやきます。

オクサーナさんは毎日、次男と遊び、本を読み、発声練習を続けています。
けれど治療にはお金がかかり、生活費だけで精一杯の中では限界があります。外で働くことはできず、家事と子どもの世話が彼女の一日を埋め尽くします。

そんなとき、知人からADRAの現金給付支援について聞きました。
必要書類を提出すると、まもなく支援金が銀行口座に振り込まれました。
「本当に、必要なときに届きました。担当の方もとても丁寧で、安心して頼ることができました」とオクサーナさん。

この支援で、子どもたちに必要な薬をそろえることができました。

――きっと子どもたちは回復し、また走り回り、笑い、安心して眠れる日が来る。

彼女はそう信じています。

「支えてくださった皆さん、本当にありがとうございます。人生にはいろいろなことが起こります。でも、この助けがあったから、また前を向けます」

オクサーナさんの願いはただ一つ。
子どもたちが、痛みや病気から解放され、心からの笑顔を取り戻すことです。
その未来に向かって、今日も母は歩みを続けています。

ADRA Japanは、(特活)ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成と、皆さまからの温かいご寄付により、これまで約3,000人以上の方々に現金給付支援を届けてきました。

皆さま一人ひとりの想いが、困難な状況に置かれた人々の暮らしに確かな希望をもたらしています。

オクサーナさんの願いは、子どもたちが「安心して笑える日」を迎えること。
その小さな願いは、多くの人の温かな思いに支えられています。
心より、感謝申し上げます。

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