
2025年8月末から9月にかけて、インド北部パンジャーブ州で記録的な豪雨が続き、広範囲で大規模な洪水が発生しました。州内23地区のうち1,996の村が浸水被害を受け、38万人以上が影響を受けたと報告されています。家屋は全壊・半壊の被害が相次ぎ、農地も約17万5,000ヘクタールが浸水しました。東京都23区全体の面積は、約62,000ヘクタールなので、その約3倍にもなる大規模な浸水被害であることが想像できます。さらに、州政府の暫定推計では、被害総額が約2,500億円にのぼると見られており、地域社会に甚大な影響を与えました。
この困難な状況の中、皆さまの温かいご支援により、ADRAは被災者のもとに迅速に支援を届けることができました。

特に深刻だったアムリトサル地区の状況
ADRA India(インド支部)が活動を行ったアムリトサル地区(人口約291万人)では、ラヴィ川沿いで堤防が8か所も決壊し、多くの村が冠水。とくに農村部では、
- 農業労働に依存する世帯が多い
- 低所得層・指定カースト(制度的な差別を受けてきた人々)のコミュニティの脆弱性が高い
- 住宅構造が弱く、堤防近くの低地に居住する世帯が多い
といった背景から、生活再建の遅れが懸念されていました。
半数の世帯が避難を余儀なくされたものの、避難体制は十分に整っておらず、多くの住民が混乱の中での避難を強いられました。
シェルター(簡易住居)関連の生活必需品も配付
政府やNGOによって食料支援は比較的行き届いていましたが、雨風をしのぐためのシェルター支援が圧倒的に不足していました。
その状況を受け、ADRAはアムリトサル地区の3つの村で、最も被害の大きい315世帯、1,431人へシェルター関連の生活必需品を配付しました。
洪水で失われた住環境・調理環境・照明を補うため配付した生活必需品
- 蚊帳×2
- 防水シート×2
- ソーラーランプ×1
- ステンレス製調理鍋3L・4L×各1
- おたま×2
- ステンレス製プレート×4

被災者の方々は、防水シートで「安全な屋根」を作り、 ソーラーランプで夜の不安を軽減することができました。
また、蚊帳で洪水後にリスクが高まるデング熱・マラリアの感染症から身を守ることができました。流された家財が多かった中、鍋やおたま、皿はもっとも喜ばれた支援のひとつです。自宅で暖かい食事を作れるようになり、心理的な安定にもつながりました。

多くの被災者の方が、配付物資の質の高さ、実用性、迅速な対応を高く評価してくださり、初期復旧段階での生活再建に役立ったと話してくださいました。

皆さまの温かいご支援により、被災した方々の生活の安定と尊厳の回復を支援することができたこと、心より感謝いたします。ADRAは今後も、困難に直面する人々のそばに寄り添い、復興への道を共に歩んでまいります。

