レバノンの学校が避難所となったあの日から、ADRAは支援を届けています

2025年3月3日未明、ベイルート南部への攻撃を受け、現在100万人以上の住民が避難を余儀なくされています。

ベイルートに位置する学校のエリアス校長先生によれば、午前2時頃から緊急の連絡が相次ぎました。瞬く間に複数のミサイルが着弾し、子どもたちや家族は強い不安を抱えながら、急いで自宅を離れたとのことです。

ベイルート郊外の被災状況/2026.03.08撮影

安全を求めた人々は、エリアス校長先生が勤務する学校にも押し寄せ、避難場所としての利用を求めました。混乱の中で校内への進入を試みる人々もいたほど、事態は緊迫していました。

校長先生は、人道的な支援は「優先事項である」としながらも、無計画に受け入れることは、更なる危険を招く可能性があると感じました。指定避難所ではない施設に人が集中すると、事故の発生や施設の損壊、さらには避難者への心理的負担に繋がるおそれがあるためです。

このような状況を受け、校長先生はすぐさま学校を避難所として機能させるべく、ADRAに連絡しました。当日中に避難所に水ボトルを配付し、3月10日までに、この学校を含む3つの施設で避難生活を送る合計432世帯に対して、洗剤、シャンプー、石けん、生理用品、ごみ袋、水ボトルなどの支援を提供しました。また、マウントレバノンの避難所では寒さによる体調不良を防ぐため、ADRAはこの避難所の家族へ、マットレス160枚、毛布160枚、枕160個を配付しました。現在は、炊き出しや食料配付、電子バウチャーによる現金給付支援の準備も進めています。

ベイルートの避難民に対して生活に必要な物資を届けた/2026.03.08撮影
洗剤や石けん、生理用品、ごみ袋などの衛生用品を箱に詰めて配付/2026.03.10撮影

ADRAとエアリス校長先生の学校は、2024年9月末に起きたレバノン紛争時にも、避難民の受け入れを行っていました。当時は、教室を一時的な生活空間として活用し、水や食料、衛生用品の提供とともに、避難者家族の尊厳に配慮した支援を実施してきました。今回、迅速かつ適切な対応が出来た背景には、これまでの経験が生かされています。

現在、レバノンでは900人以上が死亡し、13万人以上が630か所を超える施設に避難しているほか、80万人以上が施設外での避難生活を余儀なくされています。校長は、初動対応が遅れていれば、一つの不足が次の問題を引き起こし、不安の拡大や衝突、被害の増加といった連鎖的な影響が生じる可能性があったと述べています。

マウントレバノンで水ボトルや避難生活に必要な物資の配付/ 2026.03.08撮影

一時的な避難所として人々に安全を提供すると同時に、避難中であっても子どもたちが教育を受け続けられる環境を維持することが、今後の重要な課題となっています。

皆さまからの温かいご支援により、子どもたちとその家族が安心できる時間を取り戻せるよう、今後もADRAは活動を続けてまいります。

あわせて読みたい
中東危機人道支援 【中東で広がる人道危機。人々に水や食料などの緊急支援を】 命をつなぐ支援活動を寄付で応援する ⇧寄付ページにジャンプします⇧ 「人々は絶望しています。早期支援がな...
ADRAでは、活動報告や現場の声をメールマガジンでもお届けしています。ぜひご登録ください。               ⇩  
✉️ メルマガ登録でADRAと世界の情勢を知る
目次