
フィリピン台風被災者支援で現地のフィリピン中部、ルソン島南部のビコル半島に位置する、ナガ市に駐在している山田です。
2025年11月18日にフィリピン全土を覆うほどのスーパー台風26号が直撃しました。家が壊れたり流された人びとの数は、約900万人にも及びます。中でもカマリネス・スル州の被害甚大で、多くの人が家を失いました。


この事態を受け、ADRAは2026年1月5日より緊急シェルター支援を始めました。チームは、ADRA Japanから私、山田とADRA Philippines(フィリピン支部)のスタッフ4人の合計5人。各事業地の町役場で担当者と話し、被災者の中でも生活が困難な世帯をリストアップして、訪問調査を開始しています。
現地で出会ったのは、次のような言葉です。
「屋根と壁が吹っ飛ばされたけれど……大丈夫ですよ。」
海辺の村で出会った67歳、漁師さんの言葉です。案内されたのは竹の柱とココナッツの葉で屋根を作った住まいで、屋根が台風で破損してシートで応急処置をしていました。


「家を直すお金が足りず、来週からお父さんだけマニラへ出稼ぎに行く予定です」
別のご家庭で寂しく話すお母さんに出会いました。お子さんを抱える中、違う地方から嫁いできた彼女は、心細く家庭に残ることになりそうです。

台風で壊れるのは「家」だけではありません。生活、仕事、子どもの教育が影響を受け、そして家族そのものが傷つくこともあるのです。 ADRAは今回の緊急シェルター支援で、被災した方たちが自ら家を直せるように建材セット(木材・工具など)を提供します。高齢者や一人親など人手が足りない世帯には「復旧サポーター」を派遣して、取りこぼしのない復興を目指す予定です。


大きな台風は、家も、生活も、安心も一瞬で奪います。それでも「大丈夫ですよ」と言って踏ん張る人たちがいます。その強さの裏には、様々なご苦労があることも私たちは忘れません。家を直すことは、暮らしと未来をかたち作ること。それに取り組んでいる人たちをADRAは応援していきます。
これからも、被災地の「いま」と、人びとの声を、わかりやすくお届けしていきます。

マタンダング・シルマ(「オールド・シルマ」という意味の離島の村。離島はより復興が遅れている)
(執筆:フィリピン事業担当 山田 貴禎)

