【能登半島地震被災者支援第22報】地震発生から約1年半。在宅被災者訪問事業に参加しました。 

いつも温かいご支援をありがとうございます。
6月11日から13日までの3日間、普段海外業務を担当している増田が能登半島穴水町にて在宅被災者訪問事業のお手伝いをしてきたため、そのご報告です。

能登半島の中央に位置する穴水町では、能登半島地震から約1年半が経過し現在も在宅で過ごされている方々の状況を把握するため、町、社会福祉協議会(以下、社協)、各地域の区長や民生委員、NPO、ボランティア等が協力し、2025年2月から在宅被災者の調査を実施しています。ADRAもこの活動に協力をしております。調査当日は各地域で福祉活動を行っている民生委員の方々と共に一件ずつご自宅を回り、被災後も住み続けている方々に生活の様子や支援金等の受け取りの完了有無、その他困りごとがないかを丁寧に聞き取っていきます。

ブリーフィングの様子。当日訪問するお宅を各地域の民生委員さんとともに確認していきます。

実際にお宅を訪問し住民の方々からお話をうかがうことで、生の声を聞き、生活の様子を知ることができます。調査では今後のサポートと有事の際に町から連絡を取れるよう、基本的な情報の確認と、現状把握のために復旧の様子を一つ一つ確かめていきます。

今回調査をした地域では、地震から1年半が経った今も家屋の修復が継続しており、将来に対する不安の声が聞かれました。

「大工さんも大忙しで予約できないし、まだ修繕が全然終わっていない。母親の介護もあって休めないよ。」

住民の方々からお話をうかがう中で、被害として多いのは瓦屋根の破損による雨漏りや、地盤が緩んだ影響で閉まらなくなったドアの歪み、床の傾き、壁のヒビ割れなど簡単に直せるものではない被害が多く見られました。

修理依頼の多さに比べ大工さんの人手が足りておらず修繕の予定が立てられないことや、修繕費の高騰によって受け取れる支援金等のみで賄うことができるかわからないことから、家屋の修理や支援金等の申請に対する消極的な声を聞くことが何度かありました。

聞き取り調査の様子

調査中、ある一人暮らしの男性のお宅を訪問した際、キッチン、トイレ、お風呂等の設備がある建物が地震で傾き、それでも住み続けている方がいました。

「仮設住宅に住みたいけど、申請方法がわからなくてあきらめている。」

調査後、社協の方々に問題の詳細を伝えると、早急に行政と連携をしていただくことで男性への今後のサポートが取られることとなりました。問題解決の一部始終を見ることができ、在宅被災者訪問事業の意義を感じた瞬間でした。

観光スポットの能登長寿大仏。震災後からも修復が進んでいない。

調査ではメンタル面での様子も記録します。住民の様子をもとに支援が必要そうだと判断されれば関係機関につなぎ、追加の支援を実施することを目的としています。調査の途中、笑顔でご対応していただいている中、ふと震災の影を感じる瞬間が多くありました。

「1年半たって心は落ち着いてきたけど、いまだに小さい地震でもビクッとしてしまう。」

「今はもう元気だけど、地震があった後じゃ、時間がたったとしても元のようにはいかないよね。」

「地震後は他の地域に行ってしまった人も多く、寂しい。」

震災やその影響が人々の心にも大きな傷を残し、それがいまも残ることがひしひしと伝わってきました。皆さんが出来るだけ安心して過ごせるよう、必要なサポートやイベントを企画することもADRAの仕事です。 参考までにADRAは発災から現在まで、その時のニーズに応じた移動式のカフェや足湯を行っています

 今回の出張では3日間で約70件のお宅を訪問し、聞き取りを行うことができました。お友達と団欒中の方、家を修理中の方、おくつろぎ中の方、皆さん、突然の訪問にも関わらず聞き取り調査にご親切に協力していただけました。

活動は一瞬で終わってしまいましたが、現地に赴き学んだことは多くありました。震災の残酷さと被害の甚大さの一部を理解することができた一方、それでも能登に住み続ける人々の苦悩や意思に耳を傾けることができた3日間となりました。

町役場に設置された応援メッセージ。

今後も、ADRAはパートナーとの協力のもと、現地からの声に耳を傾け 、能登の復興のお手伝いに取り組んでいきます。

文責:増田

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