【ネパール】2度目の災害を乗り越えて ― 再び生活再建を目指すワンデさん夫妻

ネパール北部で発生した大規模洪水で住まいを失ったワンデ・ガレさん夫妻。しかし、家を失ったのは今回が初めてではありません。

2015年、ネパールをマグニチュード7.8の大地震が襲い、ティル村にあった一家の家は全壊しました。日雇い労働者として働くワンデさんは、当初受けた住宅再建支援を受けながら、日々働いて少しずつ家を建て直しました。こうして丘の斜面に建てた小さな家は、妻や家族とともに暮らす大切な場所となり、その後約10年間、家族の生活を支えてきました。

しかし、2026年8月に発生した大規模洪水によって、夫妻の暮らしは再び一変しました。

山間部の川が急激に増水し、土砂やがれきを巻き込みながら一気に押し寄せたのです。これまでのモンスーン期の雨とは異なり、川の水位は何の前触れもなく急激に上昇しました。

ワンデさん夫妻が家の外に出たときには、土砂やがれきを巻き込んだ濁流が、家の玄関から1メートルも離れていないところまで迫っていました。

「もうだめかもしれないと思いました。水はすぐ後ろまで迫っていました。それでも、ほんの少しの希望を胸に、妻と手を取り合って丘の上へと走り続けました」

夫妻は何とか難を逃れましたが、村は甚大な被害を受けました。村の80%以上が濁流にのみ込まれ、家族全員が流された世帯もありました。ワンデさんの家も、建てたばかりの家畜小屋も失われました。 裸足で震えながら一夜を過ごした夫妻は、学校の建物や一時避難所を移動しながら避難を続けました。その後、ほかの避難者110人とともに、地域に設置されていたロープを使った渡河設備で川を渡り、ビドゥルという村にある安全な場所へたどり着きました。

2026年8月26日に起きた大規模洪水による被害(2026年8月)

現在、ワンデさん夫妻は政府が運営する一時滞在センターで生活しています。11年前の地震に続き、今回の洪水でも住まいを失った夫妻は、再び一から生活を立て直さなければならない状況にあります。

洪水によって土地が川に流され、地域の日雇い労働の機会も減少しています。さらに、ヒマラヤ地域では冬が近づいており、寒さへの備えも必要です。 「政府や、ADRAを含むいくつかの支援団体から最初に受けた支援によって、最も差し迫った困難を乗り越えることはできました。今、私たちが最も必要としているのは、次の洪水で流される心配のない、安全な土地です。そこに家を建てたいのです」

ADRAが災害直後に被災者へ配布した衛生用品や調理器具などを含む緊急支援物資(2026年8月、ダディン郡)

<皆さまのご支援を、被災地の生活再建へ>

被災した人々が生活を立て直していくためには、緊急時の支援だけでなく、その後の暮らしを支える取り組みも必要です。

ADRAでは、現在、ワンデさん夫妻をはじめとする被災世帯に向けて、多目的現金給付と冬の生活に備えるための支援物資の配付を計画しています。

被災した人々が安心して暮らせる環境を取り戻すためのADRAの支援活動は、皆さまから寄せられた温かいご支援によって支えられています。ネパールの被災者に心を寄せ、ご協力くださる皆さまに、心より感謝申し上げます。

インタビューに答えてくれたワンデさん(2026年、10月)
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