
ADRAは2023年から3年間 、ネパール西部バルディヤ郡で、地域の人々がお互いに関わり合いながら健康に暮らせるよう、栄養や衛生状態の改善に取り組んでいます。医師や看護師の診療技術の向上、保健ボランティアの育成など、保健サービスを支える人材の力を高めるとともに、住民の健康への意識を高める活動や子どもたちへの衛生教育、村の給水設備の設置など、さまざまな面から地域の健康を支えてきました。
しかし、3年間の支援では手の届かなかったところもあります。
例えば、学校の設備修繕。地域にある学校の水道やトイレは、故障したまま修理されていない箇所や、機能が不十分な箇所がありました。

ほかにも、トイレに生理用品を捨てる場所がなく、学校にて適切な月経管理ができないため、生理の際に学校を休む女子生徒もいました。

せっかく子どもたちに正しい衛生管理の知識を伝えても、彼らが実践できる環境が整っていなかったのです。
このような状況を改善するため、ADRA Japanは今年4月から TOTO株式会社のご支援による「ネパールにおいて子どもが拡げる持続可能な水衛生環境づくり」事業を開始しました。
今回は、その活動の様子をご紹介します。
この事業は、名前の通り、基本的な衛生知識を身に着けた子どもたちが主体となり、学んだ知識と習慣を学校や家庭内、そしてコミュニティに拡げることを目指しています。また、トイレなど学校の設備を修繕することで、まずは子どもたちが学校内で衛生的な生活を送り、習慣化できる環境を用意します。

現在までに、子どもたちの中からユースリーダーが選ばれ、学校やコミュニティ内で、周囲の人々に健康や衛生の大切さを伝える役割を担うようになっています。
あるユースリーダーたちは、村の給水設備を管理する水衛生委員会のメンバーに加わり、一緒に活動しています。

彼らは水衛生委員会が定期的に行っている清掃活動に参加したり、水道料金の回収に同行したりしながら、各家庭に衛生に関する正しい知識を伝えています。
活動に参加したユースリーダーのひとりは、
「水衛生委員会と一緒に活動を開始して、委員の人たちが地域の給水設備を管理し、村全体に安全で健康的な飲料水を提供していることを知りました。村の水道システムが正しく機能し続けられるよう、家族には水を適切に使用し、水道料金を期日までに支払うよう促しています」と、話してくれました。
ほかのユースリーダーたちも同様に、地域の小さなリーダーとして活動することで、彼ら自身が成長するとともに、村を変える大きな存在として、今後ますますの活躍が期待されます。
また、6月5日、世界環境の日には、環境保護の大切さを広めるイベントを実施しました。学校清掃のほか、衛生意識を高めるための絵画コンクールを実施することで、生徒たちが習った知識を他校の生徒や地域の人々へ広める機会となりました。


活動を始めて早4カ月。地域の人々からは以下のような声が届いています。
「毎週行われる地域の清掃活動やゴミ収集活動に参加したことで、地域社会をより清潔に保つことができ、また、綺麗な環境を維持する責任感を育むことにもつながりました」
村人(24歳、女性)
「学校に、生理用品を安全に廃棄できる機器がついたトイレができると聞きました。これでやっと、学校でも適切に月経衛生に対処できるようになると思います」
生徒(14歳、女の子)

ADRAのこうした新しい取り組みは9月末まで続き、最後の1か月では地域の人々も楽しみながら水衛生の知識を学べるようなイベントや、スポーツ大会を予定しています。
その様子は次の機会にご報告します。

