
ADRAは、フィリピンとベトナムで2025年11月に相次いで発生した台風25・26号の被害を受け、被災された方々が一日も早く安心した暮らしを取り戻せるよう、緊急支援から生活再建まで切れ目のない支援を行いました。
フィリピン:被災した人々の暮らしを支え、住まいの復旧を支援しました
フィリピンでは、台風被害を受けた地域で、被災直後の緊急支援と住まいの復旧支援を実施しました。
被災直後には、セブ島とレイテ島の市場機能が十分に回復していない地域において、1,300世帯(4,953人)へ食料支援を実施しました。配付した食料パックには、米や缶詰、食用油、ビスケット、緑豆など、家族が必要な栄養を確保できるよう計算された食料を詰め合わせました。
また、現地のボランティアや行政との連携により、調達から袋詰め、配付までを2日間で完了し、被災された方々へ迅速に支援を届けることができました。


ネグロス島にある西ネグロス州では市場が回復していたため、支援方法を現金給付へ切り替え、1,025世帯(3,887人)に1世帯あたり2,500フィリピン・ペソ(約6,000円)を支給しました。支援対象は、家屋が全半壊した世帯や避難生活を送る世帯、生計手段を失った世帯、高齢者や障害者、小さな子どもがいる家庭など、特に支援を必要とする方々を優先して選定しました。
現金給付により、各家庭は食料や飲料水、医薬品、交通費、家屋の応急修理など、それぞれに必要なものを自ら選んで購入することができ、生活再建への第一歩を踏み出すことができました。また、現金が地域の商店で使われることで、地域経済の回復にもつながりました。
さらに、カマリネス・スル州では、特に大きな被害を受けた3つの町において家屋修復支援を実施しました。当初450世帯への支援を予定していましたが、資材調達を工夫したことで500世帯へ支援を拡大しました。
屋根材や壁材、家の柱となるココナッツ材、工具などの修復資材を配付し、災害に強い家づくりを学ぶ研修や、自力で修復が難しい世帯への作業支援も実施しました。その結果、488世帯が事業期間内に家屋の修復を開始し、多くの家庭が安全な住まいを取り戻すことができました。

(撮影:2026年3月 カマリネス・スル州シルマ町)
ベトナム:生活再建を支え、将来の災害に備えました
2025年10月末から続いた記録的な豪雨により、フエ市を中心に広い範囲で洪水が発生しました。ADRAは現地赤十字社や行政と連携し、被害の大きかった地域の215世帯へ生活再建のための現金給付を実施しました。高齢者や障害者、小さな子どもがいる家庭など、自力での復旧が難しい世帯を優先し、各世帯に300万ドン(約18万円)を提供しました。

支援を受けた67歳のランさんは、フエ市で一人暮らしをしています。洪水で家が3度浸水し、唯一の生計手段だった鶏もほとんど失いました。ADRAからの現金支援は、そんなランさんが失った暮らしを立て直し、再び生活への希望を取り戻すための支えとなりました。

また、被災後の生活再建だけでなく、将来の災害に備えるための防災研修にも取り組みました。地域の初動対応を担う人材を対象に研修を行うとともに、地域住民を対象とした防災研修や避難などを想定した訓練を行い、災害発生時に地域で迅速かつ適切に対応できる力を高めることを目指しました。
これらの事業は、皆さまからの温かいご支援と、(特活)ジャパン・プラットフォームからの助成により実現しました。災害で大切なものを失った多くの家族が、住まいと暮らしを取り戻すための一歩を踏み出すことができたこと、心より感謝申し上げます。

