【ミャンマー】避難生活に寄り添う支援を――食料配付とともに届けた「衛生」と「心のケア」

※安全上の配慮により、本記事では現地の写真を掲載しておりません。言葉のみでお伝えすることとなりますが、ご理解いただけますと幸いです。

2021年以降、ミャンマーでは紛争の影響により、多くの方々が住み慣れた家を離れ、避難生活を余儀なくされています。先の見えない状況の中で、日々の食事や安全な水、安心して眠れる場所を確保することさえ、簡単なことではありません。

ADRA Japanはこれまで、こうした厳しい環境に置かれている方々へ、食料や生活必需品の配付、現金給付などの支援を継続してきました。今回は、日頃より支えてくださる皆さまからのご寄付と、ジャパン・プラットフォーム(JPF)からの助成により、新たな支援活動を実施することができました。

本事業では、765世帯(2,640人)の方々に食料と衛生用品を届けました。お米や日常的に必要な食材に加え、石けんや生理用品など、健康を守るために欠かせないものばかりです。

しかし、私たちが大切にしているのは「物資を届けること」だけではありません。長期化する避難生活の中で直面する課題に寄り添いながら、共に考え、学び合う時間を持つこともまた重要だと考えています。

仮設避難所では、トイレの不足や安全な水の確保が難しい状況が続いています。衛生環境が整わないと、下痢症や皮膚疾患などの病気が広がりやすくなります。そこで実施した衛生啓発講習会では、

・手洗いが必要な「大切な」タイミング
・飲み水の安全性を確認する方法と家庭でできる対処法
・限られた環境でも清潔を保つ工夫

について、参加者の皆さんと一緒に確認しました。

参加者の一人は、「講習会に3回参加し、手洗いや水を清潔に保つことの大切さを学びました。今では家族にも伝え、子どもたち同士で食事前やトイレの後に手を洗うよう声を掛け合っています」と話してくれました。

狭い空間での共同生活や、収入の不安定さは、大きなストレスを生みます。その中で、家庭内外での緊張が高まり、ジェンダーに基づく暴力のリスクが高まることも懸念されています。

講習会では、

・暴力を防ぐために一人ひとりができること
・互いを尊重するコミュニケーション
・困ったときに相談する大切さ

についてお話ししました。

参加者の一人は、「この内容は初めて聞くものでしたが、2回参加して理解できました。女性としての自分の権利を知り、娘たちにも尊重や安全について伝えられるようになりました」と話してくれました。

学びは一人ひとりの気づきとなり、次の世代へと確実に広がっています。

避難生活が長引く中で、将来への不安や日々の緊張感から、心が疲れてしまうことも少なくありません。メンタルヘルスの講習会では、日常の中で実践できる方法をお伝えしました。


・ゆっくりと呼吸を整えること
・簡単なストレッチやヨガで体をほぐすこと。
・静かな時間を持ち、自分の気持ちを振り返ること。

特別な道具は必要ありません。自分自身でできる小さなケアが、心の安定につながります。

参加者の一人は、「深呼吸や気持ちを分かち合う時間が特に印象に残っています。今では不安や疲れを感じたときに深呼吸をしたり、家の掃除や子どもと遊ぶことで気持ちを整えています」と話してくれました。

日常の中で実践できる小さな工夫が、前向きな気持ちを取り戻す力になっています。厳しい状況の中でも、人びとは前を向き、よりよい生活を築こうとしています。

私たちのこうした活動は、皆さまの温かいご支援によって支えられています。心より感謝申し上げます。

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