「今日、子どもにごはんを食べさせられる」――その安心を、あなたがつないでいます。― ミャンマー避難民キャンプからの声―

ミンガラバー!(こんにちは!)ミャンマー事業担当の守屋です。

 ADRAは、2021年にミャンマーの人道危機が深刻化して以来、紛争により故郷を離れ、避難民として生活されている人々に食料や現金、その他生活物資の配付を継続しています。皆さまのご支援を賜り、先日また、1つの事業を無事に終えることができました。今回の活動では、ミャンマー北東部のシャン州で生活する560世帯(1,057人)に、食料を購入するための現金と衛生用品(シャンプー、下着、生理用品等)を届け、さらには避難生活の中でも健康を守ることにつながる実践的な衛生知識の普及を行いました。今日は、現地から届いた声をお届けします。

 故郷を追われた避難民の人々は、定職に就くことが難しく、日雇いの収入でどうにか生活しています。「明日は食べられるだろうか」という不安が、いつも心に影を落としていましたが、今回の現金支援は、そんな人々の生活に確かな変化をもたらしました。

フィリップさん(50歳男性)

 フィリップさんは、4人家族の長。「現金をいただけたことで、必要なものを自分たちで選んで買うことができました」と言います。彼が選んだのは米や油、そして、肉。育ち盛りの子どもたちに少しでも栄養のある食事を与えたい、という想いがそこにありました。9人家族を抱えるエルマさん(40歳女性)は、「いただいた現金で1か月分の食料を買えたので、家族全員が安心できました」と、話してくれました。

避難生活の中、生活の糧を受け取り笑顔がこぼれる。

 また、配付された衛生用品や衛生啓発セッションも大きな役割を果たしています。石けんや歯ブラシ、タオルといった日用品は、充分な栄養摂取がままならない生活の中で、病気を防ぐための大切な盾になっています。

ミャーさん(59歳女性)

 ミャーさんは、衛生啓発セッションで新しい知識(手洗いの必要な場面、環境衛生が健康に与える影響とその重要性など)を学び、家族と共に手洗いやトイレの衛生を実践するようになったと言います。日常生活で実践できる習慣は家族へ、家族から隣人へと伝えられ、小さな輪となって広がっています。

衛生啓発セッションの様子。参加者には笑顔も見られる。

 現地からあがってきたインタビューを読みながら感じたこと。それは、「支援は人々の心に、安心も届けている。」ということでした。今回は、運搬上の危険性や物資の押収の懸念から、食料の現物を支給したかったところを、現金給付に切り替えました。しかし、結果としては、被災者の人々にとても喜んでいただけました。

 紛争という、自分一人ではどうしようもない事象に翻弄され続ける人々は、住む場所、食べるもの、働き口など、私たちが当たり前に享受する「選択の自由」を、持っていないことが殆どです。

 誰かが決めたものではなく、必要なものを「自分で」選び、家族のために決められる。その自由により、人々は、避難生活においても「自分の生活を自分でコントロールできている」という感覚を持つことができます。それはすなわち、「自分で暮らしを立てる力」を取り戻すことにつながっているのです。

  

 皆さまのご支援により、遠くミャンマーの家族に「食卓の安心」と「明日への希望」を届け、命を支えることができました。心より感謝いたします。

衛生用品が入った袋を受け取る女性

 しかし、紛争が終わったわけではありません。インタビューでは感謝と喜びの声のほかにも、「雨季に入るので蚊帳や雨具が欲しい」「消毒用石けんやマスクが必要」「子どもの学習用品を買いたい」といった、切実な願いも共有され、支援の必要性は高まる一方です。

 ADRAは今日もミャンマーで、安心を生み、明日を生き抜くための希望を届け続けています。

 今後とも、変わらぬご支援と応援の程、どうぞよろしくお願いいたします。

(ミャンマー事業担当:守屋円花)

※この事業は、皆さまからのご寄付とジャパン・プラットフォームの助成により実施しています。

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