【アフガニスタン】地震被災地支援:心のケアのための取り組み

2025年8月31日に発生したアフガニスタン東部地震では、2,150人が犠牲となり、約22万人が被災しました。特に大きな被害を受けた東部クナール県では、多くの住民が住居や生活基盤を失い、今なお厳しい状況が続いています。

ADRAは、最も脆弱な世帯に確実に支援を届けられるよう、現在1件1件世帯訪問調査を行い、裨益者の選定を進めています。

訪問調査を通じて、被災者からお話を伺う。クナール県2026年5月8日撮影
訪問調査を通じて、被災者からお話を伺う。クナール県2026年5月8日撮影

ADRAが実施した現地調査では、87%の世帯が食料消費スコアで「貧弱」または「ボーダーライン」の状態にあり、94%の世帯が食事回数を減らすなど深刻な状態であることが確認されました。また、62%の被災世帯には妊産婦がおり、栄養不足による健康リスクが懸念されています。

そこでADRAは、被災した家族に対して1か月分の食料に加え、妊産婦のいる世帯へ栄養補助食品を配付すべく、その準備に取り組んでいます。女性たちも安全かつ衛生的に生活できるよう、女性向け衛生啓発と尊厳キットの配付も実施予定です。

女性たちに対して、心のケアのための資料を配布し説明をする。クナール県2026年5月19日撮影

さらに、災害後の心理的負担に対応するため、地震被災後、不安や悲しみを抱える自分自身、家族、そして地域の人々にどう寄り添うか、心のケアのための資料(心理的応急処置, Psychological First Aid: PFA)を配付しました。

突然の大地震によって、大切な家族や住まい、日常を失った人々は、今もなお強い喪失感、悲しみ、先の見えない恐怖を抱えながら生活しています。夜になると地震の記憶がよみがえり眠れない、子どもが物音に怯える、誰にも気持ちを打ち明けられないなど、多くの人々は不安を抱えています。

こうした状況の中で必要なのは、物資だけではありません。誰かがそばで話を聞いてくれること、苦しみに共感してくれること、「あなたは一人ではない」と感じられることが、人々の心を支える大きな力になります。

今回配付したPFA資料は、「不安や悲しみを抱える自分自身、家族、そして地域の人々にどう寄り添うか」を、現地語とイラストでわかりやすく説明しています。相手の話に耳を傾けること、安心できる場所を確保すること、感情を受け止めること、そして必要に応じて専門的支援につなぐこと。被災した人々同士だからこそ、お互いの痛みを理解し、支え合うことができます。

避難所にて、心のケアのための資料を配布する。クナール県避難所、2026年5月19日撮影
男性たちに対して、心のケアのための資料を配布し説明をする。クナール県避難所にて、2026年5月19日撮影

大きな困難の中にあっても、人と人とのつながりは、希望を取り戻す力になります。今後も、食料・栄養支援だけでなく、衛生、安全、心理社会的支援を組み合わせながら、被災された方々が少しでも安心して生活を再建できるよう活動を続けてまいります。

(執筆:アフガニスタン事業担当 中西)

※この活動は、皆さまからの温かいご寄付と(特活)ジャパン・プラットフォームからの助成を受けて取り組んでいます。

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