【ミャンマー】避難民の方々から届いた声

※安全上の配慮により、本記事では現地の写真を掲載しておりません。言葉のみでお伝えすることとなりますが、ご理解いただけますと幸いです。

こんにちは。いつもADRA Japanの活動を温かく支えてくださり、本当にありがとうございます。

ミャンマーでは2021年以降の国内紛争の影響により、多くの人々が国内避難民となりました。彼らは安定した住居や収入を失い、日々の食料を手に入れることすら簡単ではありません。紛争が終結する目処は立たず、いつ故郷に帰れるかわからないまま長引く仮設避難所での生活。先の見えない状況の中、精神的ストレスの蓄積や、生活衛生環境の悪化などの課題も深刻化しています。

こうしたことから、ADRA Japanでは避難生活を送る方々を対象に、食料の配付、日常生活に必要な衛生用品の提供、身の回りの衛生を保ち健康な身体を維持するための衛生管理や、ストレス解消などの精神面を整えるための講習会、性的暴力や誹謗中傷などの、ジェンダーに基づく暴力予防のための啓発活動などを実施しています。その中で、2025年末にシャン州での事業がひとつ完了しました。

事業終了後、支援を受けた方々に「今回の支援で特に役に立ったこと」や「現在の生活の様子」についてお話を伺いました。今回は、その中からいくつかの声をご紹介します。

食料支援がもたらした安心

今回の事業では、避難生活を送るご家庭に食料を配付しました。多くの方から、「食料支援は生活を支える大きな助けになった」という声が寄せられました。

ある48歳の女性は、次のように話してくれました。

「特にお米と調理油がとても役に立ちました。お米は私たちの主食で、油はその次に大切な食材です。毎朝、私たちはお米のおかゆを食べています。もし前日のご飯が残っていれば、朝食にチャーハンを作ることもあります。小さな魚を揚げたものなど、簡単なおかずと一緒に食べています」

また、24歳の女性はこのように語ってくれました。

「食料を受け取ってから、家族の生活は少し楽になりました。約60日間は食べ物の心配をしなくてよくなり、本当に大きな安心につながりました。支援のおかげで、わずかな収入を他の必要なことに使うことができます。私の場合、父を医療機関へ連れて行くことができました。食料支援は、困難な時期の中で私たちに安心と安らぎを与えてくれました」

日々の食事を確保できることは、避難生活の中で大きな安心につながります。皆さまのご支援が、確実に人々の生活を支えていました。

伝統衣装「ロンジー」がもたらした思いがけない役割

今回の支援物資として避難民の方々に提供した衛生用品の一つとして、ミャンマーの伝統的な巻きスカートであるロンジーを配付しました。ロンジーは通気性がよく、洗濯もしやすいため、衛生管理の観点から必要な品目として選ばれたものです。

しかし、支援を受けた方々の声を聞く中で、思いがけない役割も見えてきました。

配付から間もない頃、ミャンマーでは大規模な仏教行事であるパゴダ祭の時期を迎えました。多くの寺院が一般開放されるため、僧院などを仮設避難所としていた避難民の方々は、立ち退きを余儀なくされ、近隣の農園の敷地に身を寄せるなど、生活状況はさらに厳しくなりました。

そのような状況の中でも、新しく配られたロンジーは、衛生用品としてだけでなく、外出用の新しい服としても大切に使われました。

「新しい服を着て宗教行事を迎えることができ、少し晴れやかな気持ちになった」

という声も聞かれ、衛生管理の面だけでなく、心をポジティブにしてくれる効果もあったことが分かりました。

心のケアの講習会で生まれた変化

今回の事業では、特にメンタルヘルスと心理社会的支援の講習会にも力を入れました。ミャンマーでは終わりの見えない紛争が続いており、仮設の避難所で生活する人々は、プライバシーも十分に保てない狭い場所に寝泊まりしています。井戸やトイレも他の避難民の人たちやコミュニティの人々と共用しており、今日明日の食事の心配をしながら生活しています。

また、戦況によっては、今避難している場所が危険にさらされ、別の場所に移動しなければならない、といった不安や、故郷へ帰りたくても戦禍で危険な場所に戻れないといった事情も抱えています。

そうした強い不安感や圧迫感を解消し、心身ともに健康な生活を送るためには、日々のストレスを適切に管理できる知識やスキルの習得が重要となっています。そのため、ADRA Japanでは、講習会を開き、誰でも簡単にできるストレスへの対処方法や、気持ちを落ち着かせる簡単な方法などを学べる場を提供してきました。

子どもを一人育てている23歳の母親は、次のように話してくれました。

「深呼吸のエクササイズや、グループ内で気持ちを分かち合う時間がとても良かったです。今では、不安になったり疲れたりしたときに深呼吸をしたり、家の掃除をしたり、子どもと遊んだりして気持ちを落ち着かせています。そうすると、以前よりリラックスでき、前向きな気持ちになりました」

また、71歳の男性はこう語ります。

「講習会では、日常生活で使えるさまざまな方法を学びました。深呼吸や瞑想、短い散歩など、心を落ち着かせるリラクゼーションの方法です。また、気持ちを一人で抱え込まず、信頼できる人に話すことも大切だと学びました。今は毎日、祈りの時間や前向きな考え方を大切にしています。どれもとてもシンプルですが、心の健康を保つ上で大きな助けになっています」

今回の支援は、食料や生活用品を届けるだけでなく、避難生活の中で少しでも安心して暮らし、心の健康を保つための力を届けることにつながりました。

皆さまからのあたたかいご支援に心より感謝を申し上げます。

これからも温かいご関心を、どうぞよろしくお願いいたします。

(執筆:ミャンマー事業担当者)

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