
2025年7月、都内の私立高校に通う3年生・山崎紬希さんから、能登半島地震の被災状況やアドラ・ジャパンの支援活動についてお話を聞きたいとご連絡をいただきました。山崎さんは、災害後のコミュニティ形成や仮設住宅支援について研究を進めており、私たちの活動をホームページで知ったとのことでした。
同月18日にオンラインで質疑応答を行い、建設型仮設住宅とみなし仮設住宅、在宅の3居住場所における課題や支援の違いについて説明しました。また、アドラが実施している家電配付やお出かけ支援バス、在宅被災者訪問などの活動内容、そして支援を行う上での心がけや難しさについても共有しました。
山崎さんはこれまで災害支援の現場に立った経験は無いとのことでしたが、オンラインでの交流を通して、在宅訪問の活動に関心を持ち、実際に現地で活動してみたいと申し出てくださいました。そんな山崎さんの勇気ある一歩が、7月24日の穴水町での在宅被災者訪問活動への参加につながります。

この日は猛暑の中、穴水町比良地区の在宅被災者を訪問。区長さんや民生委員など、地域の協力者が温かく迎えてくださいます。山崎さんは区長さんと同じチームとなり、地域のお寺を管理されているお宅などいくつかを訪問しました。


住民の方が身振り手振りで発災当時の状況を語ってくださると、山崎さんは真剣なまなざしで耳を傾け、家屋の被害状況や生活の様子について聞き取りしていました。また、趣味や暮らしの楽しみについて話し出すと、共感をもって会話を交わす山崎さんの姿が印象的でした。


一緒に在宅被災者を訪問して回った区長さんは元高校教員ということもあり、山崎さんの進路や高校生活についての話題でも交流が生まれていました。活動の合間には、区長さんがスイカをごちそうくださり、暑さの中でも元気に活動を続けることができたようです。


訪問後は、大きな土砂崩れがあった地区や、町内最大の仮設団地を見学。被災者の生活支援を行う認定NPO法人レスキューストックヤードさんの現地事務所を訪ね、これまでの取り組みや今後の活動についてお話を伺いました。その後、仮設住宅の住民も訪問し、体調や生活の様子を少しお聞きすることができました。
活動後、山崎さんから次のような感想をいただきましたので、ご紹介いたします。
「私1人の力で被災された住民の方にお話を伺うのは難しいなと思って諦めようとしていました。今回の体験は私たち高校生が簡単にできることではないので、本当に貴重な経験ができました。在宅で暮らす住民の方だけでなく、仮設住宅に暮らす住民の方のお話を伺える機会もくださり、本当にありがとうございます。現地でしか知れないことがたくさんあった1日で、3日ほど滞在した気分です。今日学んだことをしっかりまとめて、次の問いや課題を見つけていきたいです。」
穴水町でのアドラの活動に参加して以降も、「被災地で暮らす外国人の方々への支援についても関心を持つようになった。」と、ご連絡をいただきました。今回、山崎さんのように、被災地支援の現場に踏み出す若い世代の姿に、私たちも励まされました。これからも、アドラ・ジャパンは、被災地に関心を持ち、実際に足を運んでくださる方とのつながりを大切にした活動を行っていきます。
(執筆:国内事業課 大澤明浩)
