壊れてしまった日常の中で、支援が生む希望──ウクライナ・ドニプロに暮らす人々の声

ウクライナでは戦火によって多くの人々が家を失い、帰る場所も、生活の基盤も奪われました。それでも、長引く戦争の中で、毎日を懸命に生きる人々がいます。


ADRAは、2025年1月末より特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)から新たに助成金をいただき、現金給付を通じて避難を余儀なくされた人々の生活を支える取り組みを継続しています。

今回は、ウクライナ中部・ドニプロ市にある避難所「ドブロ」に滞在している、2人の女性の声をご紹介します。

オクサナさん

夫と9歳・15歳の2人の息子と義母の5人で暮らす彼女たちは、ADRAから54,000フリブニャ(約18万円)の現金給付を受けました。

「家は完全に壊れてしまいました。義母の家も同じです。残ったのは、ただの瓦礫だけ。町そのものがなくなってしまって、もう戻る場所はありません。

この支援で、家賃の一部を払ったり、食料を買ったりできています。それでも全部を使ってしまわず、何かあったときのために少しだけ残すようにしています。無駄遣いは一切しません」

支援が届いた今もなお、生活の再建は簡単ではありません。それでも、オクサナさんの言葉には、家族を守ろうとする強い意志と、感謝の思いが込められていました。

「こんなにつらい時に、私たちを助けてくれて、本当にありがとうございます」

スヴィトラーナさん

スヴィトラーナさん一家は、東部ドネツィク州のソレダルという町から避難してきました。

「家族は6人です。私、夫、義母、息子、息子の婚約者、12歳の孫娘、そして猫が3匹」

彼女の家も破壊され、元の町に戻ることはできません。

ADRAからの支援では、家族1人あたり10,800フリブニャ、合計で64,800フリブニャ(約22万円)の現金を受け取りました。

「義母のオムツや薬が欠かせません。でも、それがとても高くて……。もらった現金の多くは、薬や食料に使わせてもらっています」

戦争の影響で十分に医療が受けられない中、スヴィトラーナさんにとってこの支援は、日々の生活を支えるだけでなく、家族の健康と安全を守る命綱でもあります。

「ADRAの支援は、まさに助けを必要としていたタイミングで届きました。本当にありがたく思っています」

この事業は、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)からの助成金と、皆さまからのご寄付によって実施されています。

温かいご支援に、心より感謝申し上げます。

(ウクライナ事業担当:ディナラ アビブッラエヴァ)

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