
2026年3月から続くレバノンでの戦争は、4月に10日間の停戦と、その後に3週間の延長で合意されたものの、停戦期間中も含めイスラエルによる攻撃は続いています。
レバノンでは100万人以上が国内避難民となり、死者は3千人に達しています。
ADRAは、避難生活を送るファディさん(仮名)にお話を伺いました。
ファディさんは、就寝中に爆撃の音で目を覚まし、家族とともに家を離れなければなりませんでした。現在、避難所の一部屋でファディさんの妻と4人の子どもたちが身を寄せています。この話を伺っているそばでは、幼い息子が眠っていました。

「夜中の12時ごろに家を出て、朝4時ごろまでずっと道路を歩いていました」とファディさんは語ります。
「車に乗せてくれる人もおらず、歩いて避難するしかありませんでした」

ファディさん一家は首都ベイルートの避難所に逃れました。爆撃の危険からは逃れられたものの、その恐怖はいまも家族の心に残っています。
「家族みんな、まだ怖がっています。飛行機の音のようなものが聞こえるだけで、とても怯えてしまうのです」
安全な場所にたどり着いたあとも、避難生活は決して楽ではありません。
「今は家族全員で一部屋に暮らしています。以前のような家での生活とはまったく違います。物価も高くなり、生活は本当に厳しいです」とファディさんは話します。
2026年5月現在、レバノンでは約115,000人が616の避難所にて避難生活を送っています。
ADRAは、2026年に攻撃が始まった翌日から、レバノン国内で避難を余儀なくされた人々への緊急支援を開始しました。
この支援ではファディさんが暮らす避難所を含む、4か所の避難所で生活する438人に対し、食料や衛生用品を購入できるバウチャーを配布しました。これは、少なくとも1か月間、生活に必要な物資を確保できるよう支援することを目的としたものです。

ADRAスタッフ、アランは次のように話します。
「避難を余儀なくされた人々にとって、食料は最も重要な支援の一つです。避難所にいる人も、家を借りている人も、親族の家に身を寄せている人も、多くの人が十分な食料を確保するだけの経済的余裕を失っています」
また、支援を受け取ったファディさんはこう語ります。
「私たちは心から感謝しています。これから状況が良くなることを願っています」

ADRAは、2026年3月以降、国内で避難生活を送る人々2,343人に支援を届けてきました。ファディさん一家のように、突然日常を失った人々に寄り添いながら、少しでも苦しみを和らげ、人としての尊厳と安心、そして希望を取り戻すための支援を続けています。
皆さまからの温かいご支援により、レバノンで避難生活を送る人々、そして子どもたちが安心できる時間を取り戻せるよう、今後もADRAは活動を続けてまいります。
