
2025年11月、フィリピンとベトナムで台風25・26号が受相次いで発生し、大きな被害をもたらしました。フィリピンのルソン島南東部のカマリネス・スル州も激しい豪雨と強風に見舞われ、特に海沿い地域では高波も発生し、多くの人が家を失い、農地が流され、生活そのものが脅かされる被害を受けました。
この事態を受け、ADRAはルソン島にて緊急シェルター支援を実施。2026年1月以降、現地コミュニティと連携し、生活の立て直しを目指す住民の方々に寄り添った支援を届けました。
(フィリピンとベトナムで行った支援活動全体についてはこちらをご覧ください。)
台風で失った住まいを再び――漁師ジョセフさん(仮名)の復旧への歩み
ルソン島南部の海岸沿いに暮らす60代のソロモンさんは、長年、漁業とコプラ(乾燥させたココナッツ果肉)の取引で家族の生活を支えてきました。台風ウワンが襲来した際、一家で親族の家へ避難しました。しかし、台風が過ぎ自宅に戻ると、家は全壊しており住む場所を失いました。
そんな中、ジョセフさん一家に届けられたのが、ADRAの支援によるシェルター資材です。シェルター資材を活用することで、一家は失った住まいの再建を進めることができました。支援を振り返り、ジョセフさんはこう話します。
「日本からの支援がなければ、私たちは気づいてもらえず、すぐには助けてもらえなかったでしょう。」
災害によって住まいを失った人々にとって、家を再建することは、日常の生活を取り戻すための大切な一歩です。今回の支援を通じて、ジョセフさん一家を含む被災世帯の住まいの再建を後押しすることができました。
子どもたちのために、もう一度『家』を
同じく、ルソン島南部沿岸の町で暮らすマイラさん(仮名)も、夫と子どもたちとともに台風の被害を受けました。強風と豪雨によって、ビニールシートなどの軽量な資材で作られていた自宅が壊れ、一家は安心して暮らせる場所を失いました。また漁師の夫も漁に出られず、収入が途絶えました。
シェルター資材の支援を受けたことで、一家は以前よりも頑丈な住まいを再建することができました。マイラさんにとって家は、単に雨風を防ぐ場所ではありません。子どもたちが安心して眠り、遊び、勉強できる「家族の居場所」です。

被災後の暮らしは、住まいや収入を失う苦悩だけでなく「再び立ち上がれるのか」「もとに戻れるのか」という先の見えない不安も伴います。今回届けたシェルター資材は、家を再建するための「モノ」であると同時に、「見捨てられていない」「もう一度、生活を立て直そう」と、人々が希望を取り戻し、再び前を向いて歩み出す力の源にもなりました。その希望を後押しできたことこそ、今回の支援がもたらした大きな意義です。
今回の事業は(特活)ジャパン・プラットフォームの助成金と、皆さまから寄せられた温かいご支援に支えられ、多くの家庭が生活再建への一歩を踏み出すことにつながりました。これまで活動を支えて下さった皆さまに、心より感謝申し上げます。
被災地では、今も十分な再建に至っていない世帯もいます。被災した方々が、失ったものを少しずつ取り戻し、再び安心して暮らせる日常を取り戻せるよう、私たちは今後もできることを大切に積み重ねてまいります。
