高校生作成のCM動画、8年越しで屋外ビジョンでの放映決定!

こんにちは!ADRA Japanの永井温子です。 

ADRAではこの度初めて、屋外ビジョンを使った広報に取り組むことになりました。 

きっかけは、「自社ビルの屋外ビジョンを活用して社会貢献できないか」というご相談を株式会社アメリカンホーム様(http://www.american-home.co.jp/)よりいただいたことです。本来であれば、大きな広告収入が見込める枠です。それを、世界各地で一人ひとりに寄り添う活動に取り組むADRAに1枠、ほぼ実費のみの価格でご提供いただくことになりました。 

屋外ビジョンがあるのは、大阪の若者の街「アメリカ村(大阪市中央区西心斎橋地区)」。 

1日に15万人~20万人の若者が訪れる人気の観光エリアです。 

放映時間は一般のテレビCMと同じ15秒。この限られた時間で、少しでも記憶に残してもらうにはどうするか、企画会議ではいくつものアイデアがボツになる中、ひとつの動画が思い当たりました。 

それは、8年前、ADRAが取り組んでいた福島原発事故の影響を受けた若者支援の一環で関わった高校性が作ってくれた1本の動画です。テンポがよくて、わかりやすくて、記憶に残る動画で、改めて見直してみると、15秒の尺に合わせる必要はありましたが、アイデアが煮詰まっていた会議室の空気を一瞬で明るい気持ちにしてくれました。 

そのオリジナル動画がこちらです。 

(Youtubeリンク@広報チャンネル) 

この動画を使用するにあたり、制作者の元高校生にも承諾をもらいたいと、つてをたどって本人から連絡をもらうことができました。私自身、8年前に、ADRAの活動についてレクチャーさせてもらったときのことが懐かしくもあり、丁寧に電話に応対してくれる大人に成長していることが感慨深くもあり、心底うれしい電話での再会となりました。 

今どうしているのか、今回の動画の放映をどう思うか、お話を聞かせてもらった内容を、ご本人の了承のもと、ご紹介させていただきます。 

「私は今、福島県で公務員として働いています。8年前の動画をまた使っていただけるとは思っていなかったので、今回のお話を聞いて驚きましたし、うれしいです。 

当時を振り返ると、朝早くからの撮影や、せっかく撮ったデータが飛んでしまうこともあってとにかく苦労したことや、仲間のおかげで挫けることなく支え合いながら楽しく活動できたことを思い出します。 

あのとき、手探りであっても伝えたいことを見失わないように制作に取り組んだことや、地域の方々への取材で学んだことは、社会人になった今、例えばミーティング時の言葉づかいや論点をハッキリさせながら他人の意見を聞くという姿勢に役に立っていると感じています。」 

また、この動画が、屋外ビジョンを通して多くの若者の目に触れることから、少し先を生きた先輩として、何か伝えたいことがあるか聞くと、 

「人生は経験だな、と思うことが多いです。自分も社会人になって今年で6年目ですが、失敗する日がたくさんあります。でも失敗しないと覚えないこともたくさんあります。 

新しいことを始めるのは不安に感じるかもしれません。失敗することもあるでしょう。しかし、経験は必ず何かしらの力になります。失敗を恐れることなく、いろんなことを経験していただきたいです」 

というエールを送ってくれました。 

あのときCM作りにチャレンジしてくれた彼には、私もすごく励まされましたし、新たな視点を学ばせてもらったことを改めて思い出します。 

世界を少しでも良い方向に変えたいと活動に取り組んでいる私たちのチャレンジは、いろいろな場面で、自分の前にあるちょっとがんばらないと超えられない壁を乗り越えようとする一人ひとりの挑戦によって支えられています。 

それは、利益が出ない価格でも社会貢献という価値を見出そうとCMの枠を提供してくださる企業さんの挑戦や、国際協力を身近に感じてもらい、気軽に参加してもらうにはどんなCMがいいかを一生懸命考え、失敗にもめげずに制作してくれた高校時代の彼の挑戦です。 

当時のことをブログにまとめて書いてくださったのも、会社で働きながら空いた時間で社会貢献をしたいと、ライティングボランティアに応募してくださった会社員の方でした。その方は今も、ADRAでのオンラインボランティアを続けてくださっています。福島の高校生に寄り添う活動は、温かいご寄付をお寄せくださった、多くの皆様に支えていただきました。 

アメリカ村屋外ビジョンで動画をみて、自分もやってみようと思う方が増えてくれたら本当にうれしいです。あなたの挑戦を心から応援しています。 

(執筆:ADRA Japan広報担当 永井温子) 

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