【ネパール】地域に根付き始めた母子保健の取り組み

海外事業部の増田です。

いつも皆さまからの温かいご支援をありがとうございます。

ADRAは2023年から、ネパール西部バルディヤ郡で、地域全体の健康改善を目的に、栄養・衛生改善の取り組みを行ってきました。今年で3年目を迎えたこの活動では、5歳未満の子どもたちと、その母親たちの健康状態の改善が、成果として表れています。

この3年間、保健所スタッフへの栄養管理指導、村で活動する地域女性ボランティアの能力強化や教材提供など、地域に根差した様々な活動を行ってきました。今日はその中の一つ、地域の保健所職員と、女性ボランティアが毎月開催する「ヘルスマザーグループ講習会」をご紹介します。

この講習会に参加するのは、地域のお母さんたち。大切な子ども達を健やかに育てるため、栄養や水衛生管理など、適切に子育てを行うために必要な知識を学びます。

講習会の様子。絵の多い教材や、実際に食材を見せて教えることで、知識の定着を目的としています。

ネパールの地方では、読み書きが難しい方も少なくありません。そのため、講習会では知識をより効率的に伝えるため、絵を多く用いた教材を使用したり、実際に体を動かして参加してもらうなど、実践型の学習を取り入れています。この工夫により、お母さんたちは、身辺をきれいに保つ方法や、正しい栄養管理の方法などの知識を、よりわかりやすく、楽しく学ぶことができています。

手洗いの方法を実演する地域ボランティア女性。
講習会ではお母さん同士の交流の機会が生まれ、
子育ての心配事などを気軽に相談しあえるコミュニティの環が拡がります。

講習会へ定期的に参加しているお母さんたちは、次のように話してくれました。

「栄養について理解を深めることで、手に入れられる食材の中でバランスの良い食事を作るよう心がけるようになりました」

「料理前やトイレに行った後など、正しいタイミングで手を洗う習慣を子どもたちにも教えたことで、下痢や腹痛に罹ることがなくなりました」

自分と子どもに起きた変化を笑顔で語るお母さん。

その他にも、以下のような変化が確認されています。

・定期健診などで地域の栄養ケアセンターを訪れる回数の増加
 (平均4.1回 → 8.5回/年

・地域の栄養ケアセンターで必要な栄養支援を受けられる子ども(5歳未満児)の割合
 (事業開始前から17.7%上昇

・急性栄養失調から回復する子どもの割合
 (事業開始前から20.8%上昇

講習により、定期的に子どもを栄養ケアセンター(栄養管理をする施設)に連れていくことの大切さが伝わったことで、お母さんたちが施設を訪問する回数が増えました。それにより、栄養失調の早期発見と適切なケアにつながり、回復する子どもたちが着実に増えています。

さらに、この活動をサポートしている、ある一人のボランティア女性は以下のように語ってくれました。

「以前、この地域の母親たちは栄養のある食事を摂る大事さをあまり理解しておらず、急性栄養失調児が多く見られました。しかし、この活動を始めてから徐々に知識が拡がり、今では自分で野菜を育てたり、積極的に栄養のある食事を摂るような家庭が増加したことで、栄養失調児の数は激減しました」

この地域で活動をしている地域ボランティアの女性。

現場からこのような声を聞くことができ、担当者として大きな喜びを感じています。

ADRA Japanは、引き続きネパール支部と連携して、この良い変化がさらに広がり、地域に根付いていくよう、今後も村のお母さんと子どもたちが安心して過ごせる未来を築いていきます。

今後も皆さまからの温かいご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

(執筆:海外事業部 増田 颯人)

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