現地入りしたADRAスタッフの声【能登半島地震被災者支援第8報】

元日に発生したマグニチュード7.6の能登半島地震。同災害によって石川県内で命を落とされた方の数は、2月16日の時点で241人、被害を受けた建造物の数は7万棟を超えました。

この寒さのなか、今も多くの方々が苦しい避難生活を強いられています。

ADRA Japanも発災当日から情報収集と支援調整をはじめ、主に穴水町と七尾市で被災された方々の支援活動を続けています。穴水町に滞在するスタッフの声が届きました。

「穴水町の中心に『プルート』という名の総合施設があり、今では電気も水もwifiも復旧しています。プルートは避難所になっていて、避難している方たちは、静かにテレビを見ていたり、会話をしていたり、疲れているのか自分のスペースで横たわっていたりと様々です。その間を、所属組織のビブスを着た人々が、静かに、それでいて緊張感のある表情で動いています。

避難所になっている総合施設プルート

僕は、プルートの横にある駐車場に停車した軽バンで、車中泊しています。今回の滞在では、今日で5泊目になります。

朝はいつもの習慣で5時くらいに目が覚めるので、車内の寝袋を片付け、キャンプ用卓袱台の上にPCを開き、前日までに起こったこと、行ったことなどを頭の中で整理し、その日にやるべきことをリストアップします。

すると次第に外が明るくなって、7時前には、避難所の1日が動き出すのを感じます。

避難している方たちのボランティアの方だと思うのですが、毎朝、仮設トイレを綺麗に掃除して、簡易水洗用の水タンクの補充も忘れずにやられているのを目の当たりにします。

そんな折、『日々の生活の中で、気持ち良くトイレを使えることが、人間としての安心感の基盤の一つになっているんだなぁ』と改めて認識させられます。同時に、掃除するの姿を見て、感謝の気持ちに満たされます。

シャワー・サービスを提供しているテント内で、きざしのスタッフと利用者の方たち

トイレのすぐ横に、ADRA Japanが連携している団体、<きざし>のテントがあります。入り口には段ボールで作った『シャワーできます』の看板がかかっています。

シャワーには老若男女、被災された方たちがきますが、自衛隊のお風呂に行けない事情のある高齢者や車椅子の方たちが訪れる度に、スムーズに、そして自然に、訪問者の髪を洗います。

このような場所を提供し、洗髪のお手伝いをし、被災された方のお話を聞き、『また来て下さいね』と声をかけて送り出す。僕らができることは、まずは、そういうところからなのかな、と思っています。

「気持ち良かったぁ!!」と満面の笑顔をみせてくださった利用者の方

目の前の光景から感じるのは、普段は力強い生活力がある方たちが、災害でダメージを受けている現実。

しかし、途方にくれながらも、今、それぞれが、生活の立て直しを始められている人間としての強さです。被災された方の傍らに立ち、僕らは支援のプロとして、いかなるお手伝いをするべきなのかを自問自答しています」

少しでも弊団体の存在が被災地でお役に立てたなら、これ以上の喜びはございません。

ADRA Japanは、いつも人間の尊厳の回復をテーマに、現場のニーズに応えたいと考えております。

皆様の温かいご支援をお待ちしております。よろしくお願い申し上げます。

「【緊急支援】国内(令和6年能登半島地震 被災者支援」へのご寄付はこちらで受け付けています(決済ページへジャンプ)

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