簡易温水シャワー支援に利用者の声が届きました【能登半島地震被災者支援第6報】

今年1月1日の午後4時過ぎに発生したマグニチュード7.6の地震により、1月31日までに238人の尊い命が奪われました。今なお19人の安否が分からないままになっています。

住宅が全壊・半壊した数は4万6,000軒にのぼり、1月31日午後2時時点での石川県の集計によれば、1万4,632人が避難生活を強いられています。

ADRA Japanも、早速、現地の情報をあつめましたが、奥能登と呼ばれる輪島市、珠洲市、穴水町、能登町では、ほぼ全域で断水が続いており、県内全体で4万戸余りが断水状態になっています。

私たちは2020年7月に熊本県を襲った豪雨災害支援で出会った災害ボランティア団体「きざし」と連携し、穴水町で被災された方々の髪を簡易温水シャワーで洗う活動を始めています。

穴水町の一部では、上水も簡易下水道も復旧しましたが、まだ町全体としては復旧するまでに2週間から1か月の時間が必要だといわれています。

今回の災害の大きな特徴として、地震による地層隆起がいたるところで発生し、地下配管の破壊箇所が非常多い点が挙げられます。

協働団体である「きざし」は、穴水町内の「さわやか交流館プルート」の敷地内にテントを張ってシャワースペースを設置しています。支援を開始した1月20日から毎日、ご希望の方に洗髪を行っています。

施設では、午前11時から午後4時までの時間帯にサービスを提供しており、1日当たりおよそ20名の方に足を運んでいただきました。3分の2が女性で、3分の1が男性という割合です。

40℃のお湯を用意し、リンスの入ったシャンプーを使用して、服を着たまま洗髪できるので、気軽に利用できると喜んでいただいています。高齢者の方たちなど補助が必要な方には、介護職経験のある「きざし」のスタッフが、丁寧に髪を洗わせて頂いています。

利用された60代の女性からは、このような感想を頂きました。

「道路から見かけて気になってたけど、勇気を出して入ってみたの。さっぱりしてよかったー」

同年代の女性の方もこのようにお話されていました。

「自衛隊のお風呂は時間がかかるからね、何回も行くのは面倒くさいから、頭だけでも洗っとけば、なんとなく大丈夫かなって(笑) ありがとうございました。」

70代の男性も笑顔で語ってくださいました。

「さっぱりした。さっぱりした。こういうのがあると助かるねぇ。近くでシャワー支援もやってるけどあっちは寒かった。また使わせてもらいます。ありがとう」

お子さんの手を引いて会場にいらした20代の女性も、次のように述べていました。

「子どもの頭を洗ってあげられて良かったです。頭だけでも洗えたら、さっぱりするので助かりました。子どもが小さいので、後ろ向きで洗えると嬉しいです。今後のアップデートに期待しています!ありがとうございました」

 障害を抱えたお子さんを連れた60代の女性も言いました。

「この辺りは今、お水も出ないような状態だから、水を使えるだけでとてもありがたいです。この子のこともあって余所のお風呂は難しくてね。結構よかったわ。頭だけでも洗えてさっぱりしました。また利用させてください」

穴水町で活動をつつける「きざし」とADRAは、歩くのが不自由な高齢者の方たちが、なかなか自衛隊のお風呂に行くことができない現実を知りました。また、避難所でほぼ寝たきりの方に、洗髪介護が、いかに喜んで頂けるかを感じました。

それでも、被災された方々が、心に余裕をもってご自宅で湯船に浸かれる日は、まだ遠そうです。

今後も、私たちは必要とされている支援を届けてまいります。このような活動に取り組めるのも皆さまからのご支援があってこそです。心から感謝申し上げます。

引き続き、温かいご支援をおねがいします。

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