いつも温かいご支援をありがとうございます。
ADRAは、アフガニスタンの西部ヘラート県で、昨年10月7日以降に続けて発生した強い地震で被災した方々を支援するため、現地政府との調整の元、支援を届ける世帯や配付場所の選定などの準備を進めてきました。
当初は2月に予定していた配付活動ですが、大雪などの影響により延期となったため、3月2日から5日にかけて、809世帯の約5,660人を対象に1か月分の食料と、生活に必要な物資を受け渡すことができました。
今回、配付した支援物資は人々の大切な命をつなぐ小麦、豆、油、塩などの食料で、アフガニスタンの人々が常食としてきたものです。また、鍋・やかん・ガスコンロや包丁などの調理器具、スプーンやお皿などの食器に加えて衛生面を保つ石鹸や洗剤、日没後に便利なソーラーライトなど、日常生活を送る上で必要不可欠な生活用品も届けました。
この他にも、防寒用に毛布を配付しています。春が近づくにつれて徐々に寒さは和らいできていますが、家屋が倒壊した家では寝具をテントとして活用しており、寒さを凌ぐために家族で身を寄せ合い眠る家庭が多いと報告されたためです。
支援物資を受け取ったアルバブさんは、次のように話をしてくれました。
「普段は日雇い労働で生計を立てていますが、冬の間は仕事が少なく、収入がありません。私の村では、学校へ通うことや病院を利用することもできない、経済的に貧しい地域です。そこへ地震が起こり、全てを失いました。幸いにも、今回食料や生活物資を受けることができました。これで、しばらくの間は家族で充分な食事をとることができますし、寒さから身を守ることができるようになります」
安堵の表情を浮かべて語っていたアルバブさんでしたが、
「私の村には、まだまだ支援を必要としている人がたくさんいます。小さなテントに14人で住んでいる家庭もあります。キッチンやトイレもない状態で生活しているのです」と継続支援の必要性も訴えていました。
地震発生から時が経つにつれて世界からの関心が薄れていく中、ADRAの支援は生活に不安を抱える被災者の希望となっています。
食料支援は、引き続き弱い立場にある各世帯に計3か月分を配付する予定です。
国全体が貧困状態にあるアフガニスタンでは、自然災害に対する国の支援も充分ではなく、30,000棟以上の家屋が再建を必要としています。ですが、2024年2月時点の報告では、支援を受け取っているのはその1.2%にとどまっています。
ADRAは、被災地域で人々が復興への足がかりとなるように、仮設住宅の提供も計画しています。
引き続き、1人ひとりに寄り添った支援を継続してまいります。
皆さまの温かいご支援に心から感謝いたします。
(この事業は、皆さまからのご支援と、(特活)ジャパン・プラットフォームからの助成も受けて実施しています。)