ジンバブエの若者が笑顔になった

アフリカ南部、人口およそ1,599万人のジンバブエ共和国では、15歳以上の識字率が90%以上と報告されています。しかし、かつてADRAが支援していたゴクウェ・ノース地区や、今日も活動を続けているニャミニャミ地区で、私たちは読み書きのできない人々に出会いました。

25万人が暮らすゴクウェ・ノース地区の主産業は綿花作りで、幼くして労働力となるため、親が子どもを学校に通わせないケースが頻繁に見られます。

加えて多くの小学校の校舎も茅葺屋根と丸太を組み合わせた簡素な造りです。ほとんどの学校では、校舎の定員より人数が多いため、木の下や草むらでも授業が行われていました。雨が降ったら休校となってしまうのも、やむを得ないことでした。

そこでADRA Japanは、2013年よりジンバブエで教育支援を開始し、校舎を建設してきました。

2019年に開始した直近の活動では、ゴクウェ・ノース地区で校舎を建設し、加えて教員住宅も築きました。

そして2021年からは職員棟の建設に着手し、およそ1年を費やして同地区の3つの小学校に1棟ずつ校舎を建設。2022年6月末に全てを完成させました。

1年11月15日、ゴクウェ・ノース地区の完成した校舎の前で微笑む生徒たち

1校につき、教師は平均20名ほどですが、常駐が可能となり、準備はもちろん、独自でテキストを作ることや、授業の準備ができるようになりました。教師たちのモチベーションが上がったことを実感しています。

人口約4万6千人のニャミニャミ地区でも、2022年の4月15日から3つの小学校に校舎を1棟ずつ作り、2023年3月に作業を終了しました。建設が進む校舎を目にしながら、砂や砂利を運ぶ現地の人の表情が、みるみるうちに明るくなっていく様子が印象的でした。

ニャミニャミ地区に完成したマレンベジャ小学校、2023年3月9日

そんななかで、私たちが注力している活動の一つが、特別教室です。様々な理由で学校に通えなくなった子どもたちに、もう一度学ぶ機会を提供する試みです。

学習レベルを2つに分け、放課後に補習事業を展開しながら、自分のペースで学んでいってほしいという願いで続けています。

シモン・プドゥ君 2023年10月4日、マジャゾにて

特別教室に通う14歳のシモン・プドゥ君は言います。

「僕が1年生の時、両親が亡くなりました。色々な問題があって、学校に通えなくなってしまって、3年生の時に中退してしまいました。その頃から、祖父母と暮らしています」。

彼は今、6年生。意欲的に学業に取り組んでいます。

また、1年ほど学校に行くことができなかった13歳の6年生、シアマコべ・オウガスティーン君も語りました。

「まずは小学校の過程を終え、今後も勉強をして、この地区で教師として生きていきたいです」。

ADRAはオウガスティーン君の言葉を聞き、心の底から喜びを感じました。

私たちは、各学校にある、保護者・地域住民・教員から構成される学校開発委員会と共に、事業地で啓発活動を行い、地域の人々に教育の大切さを呼び掛けてきました。

家庭訪問も行い、保護者や不就学児童に、学びの大切さを伝えていたのです。彼の発言はまさに「我が意を得たり」でした。

教育とは、人間の成長に欠かせないものです。どんな環境に置かれても、学ぶチャンスを奪ってはいけないと、ADRAは日頃から考えています。

今後も、こうした活動に力を入れて参ります。皆さまの温かいご支援をお待ちしております。

古本やモノの寄付でできる教育支援

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