ジンバブエ便り vol.59 ゴクウェ・ノース地区での教育支援事業が完了しました!

皆さま、こんにちは!
日頃より、ジンバブエ事業を応援いただき、ありがとうございます。
今回のブログでは、2019年より3年に渡ってゴクウェ・ノース地区で取り組んできた3年間の教育支援活動についてご報告を致します。
私たちがゴクウェ・ノース地区で活動を開始する前、地域のネニュンカ小学校、クシンガ小学校、チリサ小学校では、多くの子どもたちがワラと丸太で作られた教室で学んでいました。
また、教員の住環境及び職場環境が劣悪だったことも合わさり、子どもたちが受ける教育の質が低い状態にありました。


さらに、対象の地域では子どもが家計を助けるために仕事をして学校に来なくなったり、早期婚で学校を退学したりするケースも多くみられました。
しかし、こうした子どもたちが学校に戻るための受け皿やそれを後押しする動きはありませんでした。
こうした背景があったゴクウェ・ノース地区で、私たちは住民とともに学校を建設し、教育の重要性を伝えるメッセージを広げてきました。
さらに、学校が少しでも自分たちの力で学校開発や運営を進めていけるよう、学校開発委員会へのトレーニングも行い、それらを活かして学校は収入向上活動を実施してきました。

「1人の子どもも取り残さない」というメッセージを掲げてメッセージを広めた。







新型コロナウィルス感染症拡大の影響を大きく受けた本事業ですが、上述の包括的な教育環境改善を継続した結果、さまざまな側面でポジティブな変化が見られました。
例えば、コロナ禍で跳ね上がってしまったネニュンカ小学校の退学率が29%(2020年)から12%(2022年)まで大幅に改善されました。
また、コロナ禍で授業に大きな遅れが出てしまった状況を受けて実施した学習キット(文具や問題集)の配付活動では、週末や学校閉鎖中に、学校開発委員会が中心となって学習キットを活用し、小規模の学習会を開催するなどの変化も見られました。
学校自らが、持続性を高めていけるよう開始した収入向上活動も3年目になり、各学校で、それまでの収入を再投資する形での新たな活動も始まりました。
これまでトライ&エラーで学んできたことを活かし、学校は地域住民とともに収入向上活動を継続していくことができると私たちも信じています。

最後に、事業終了時に実施されたインタビューで村人たちが語ってくれた変化をご紹介します。
「水汲み場で行列ができているときに
先生が水汲みに来たら、
私たちは先生たちを先に通すようになりました。
そうすれば先生は、
私たちの子どもたちを教えるために、
学校にすぐに戻れますから 。」
「ADRAの活動を通して
子どもたちにとって教育がいかに重要であるかを
理解しました。
教育が大切であるということは、
つまり私たちにとって先生たちは
とても大切な人たちなんです。」
私たちはこれからもジンバブエの人々、
一人ひとりに寄り添った教育支援活動を
続けてまいります。
2022年4月から開始している
ゴクウェ・ノース地区の隣り、
西マショナランド州ニャミニャミ地区における
教育支援事業についてもご報告をしていきますので、
楽しみにしていてください!
ジンバブエ事業は、皆さまからのご寄付のほか、
日本NGO連携無償資金協力の助成も
受けて実施しています。
今後もどうぞ皆さまの温かいご支援を
よろしくお願い致します。
(執筆:ジンバブエ事業担当 高橋睦美)