激しい攻防が繰り返されてきたドネツク州でADRAは2022年より前から支援活動を行なっていました。
2月に状況が悪化してからは、命の危険を感じ避難を希望する方々に寄り添い、この地域に住む4,000人以上の方の避難を支援してきました。
バフムト地区トレツク行政代表者であるアンドレイ・ザマジー氏は次のように述べています。
「私たちはずっと、民間人の避難支援を求めていました。
以前から戦闘が激化していたため、地域や自治体の行政は地域住民の避難の必要性を強く訴えてきました。
街は砲撃にさらされ、住宅の窓やドア、インフラも破壊され大きな被害を受けています。
ここウクライナでは、厳しい冬が近づいています。
しかし、インフラが破壊され、燃料も手に入らないため暖房が使用できないのです。
冬を越すためにも、安全な場所に避難する必要があります。
我々は、皆さまのご支援を必要としています。
どうか、ご協力をお願いします。」
2022年2月24日、ADRAはウクライナ人道基金と協力し、ルハンスクとドネツクの「孤立した」コミュニティの住民に
無料の輸送サービスを提供し、住民の基本的な社会生活の支援を予定していました。
しかしながら、2月末には戦闘行為が激しさを増し区域の住民を避難させることが必要とされたため輸送サービスの基本方針を移動支援から孤立したコミュニティで生活する人の避難手段へと方針転換を余儀なくされました。
人々をいち早く安全な地域に避難させるためにも、輸送サービスの利用手続きをさらに簡単にしました。
主な避難先は、安全な宿泊施設があり公共施設や設備などインフラが整うドニプロ地区を中心に行っています。
リディア・パンテリーヴナさんは79歳でドネツク州トレツクの住民です。
この居住区域は、激しい戦闘地帯のすぐ近くに位置し、常に砲撃を受けています。
8月末、ついに彼女はより安全な地域への避難を決意しました。
リディア・パンテリーヴナさんは次のように話をしてくれました。
「この決断をするのは大変でした。
私はずっとここに住んでいます。ここは私の生まれ故郷であり、生まれ育った街です。
どうやって家を離れればいいのでしょうか?しかし、これ以上引き延ばすわけにはいきません。
常に砲撃を受けてますし、身の危険を感じながら生活するのは、とても疲れます。
物を詰めていたら、涙がでてきました。でも離れることにしました。
私は最善を期待しすべてがうまくいくことを信じています。
無料で避難させてくれる、ADRAにはとても感謝しています。」
戦争の長引くウクライナではまだまだ多くの支援が必要とされています。
アドラはこれからも長期的に彼ら一人ひとりに寄り添い、活動を続けていきます。
皆さまの温かいご支援に心より感謝いたします。
(執筆:マーケティング・広報 栗栖一郎)
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