『イエメン~命の水~』

イエメンにおける紛争は長期化し早くも9年におよぼうとしています。

国民の4人に3人にあたる2300万人が、何らかの人道支援を必要しています。

また、人口の半分にあたる1700万人が深刻な食糧難にあり、その中の80%が貧困な生活をしていると報告されています。

ADRAジャパンは、2015年よりシリアの人道支援を行ってきました。

現地支部と連携し、食糧、栄養、水・衛生分野の緊急支援をこれまでに8度実施しました。

小麦、米、豆、缶詰などの食料や水、そして歯ブラシ、シャンプー、石鹸、生理用品などの衛生用品を、合計で35万人以上の紛争被災者の方たちに届けてきました。

しかしながら、現地への支援としては、十分ではありません。

そこで私たちは、少しでも人々の力になりたいと、2022年9月中旬より2023年の4月末までに88世帯を対象に、2023年5月1日から9月末までには45世帯の方々に、生計の回復支援を行いました。

紛争によって平穏な暮らしを奪われた人々が、かつての仕事を行ない生活基盤を整えることを狙いとしています。

破壊されてしまった灌漑設備を修復し、住民たちが農業の生産量を回復することを最大の目的に掲げた取り組みです。

昨年9月よりスタートした88世帯を対象とした支援活動中に出会ったのサレムさんは49歳。

ラヘジュ県のアルカバイタ郡に農民として生まれ、かつては家畜として数十頭の山羊を飼い、畑で穀類と自家用の野菜を栽培していました。山羊を市場で売っては日用品を買うという伝統的な農業です。

10人の家族とともに慎ましく暮らしてきたサレムさんですが、内戦が激化し、経済が悪化の一途をたどると、自家用の穀類の生産までもが不安定となりました。

畑仕事には井戸から組み上げる大量の水が必要不可欠ですが、4年前にポンプが故障してからは、部品代が高騰したため、修理することさえできず、僅かな天水に頼り、毎日生きていくための最低限の収穫を得るのがやっとという生活水準におちいっていました。

貯えが底をつき、生活を維持するための財産である山羊をすべて手放さなければならないと覚悟を決めようとした昨年の秋、ADRA JapanとJapan Platformの支援活動がサレムさんが暮らす村で生活支援の希望者を募ると聞き、応募を決めました。

ADRAが設置した中国製のポンプは井戸に深く溜まる水を勢いよく汲み上げ、畑に水を送るパイプもより多く設置することが可能となりました。

サレムさんは次のように話してくれました。

「これで農業を再開できる! イエメンの紛争はまだ終結の見通しが立たないが、灌漑を修理できたおかげで、家族とともに生き続ける希望を持てるようになった」

サレムさんの笑顔にADRAスタッフも心が温かくなりました。

私たちは今後も、助けを必要とする世界中の人々の生計向上・生活支援の活動を継続していきます。引き続き温かいご支援をよろしくお願いします。

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