水の困り事を解消したい【能登半島地震被災者支援第12報】

ADRAは、能登半島地震で甚大な被害があった石川県穴水町にスタッフを派遣して支援活動を続けています。

穴水町では、水道管の破損が激しく、水を使用できない方が大勢いました。発災から4か月が過ぎ、水道修理業者の方々の尽力と、仮設住宅への入居が順次進んでいることから、水汲みから解放される方々が増えてきていますが、本管の水道管復旧はされていてもご自宅への個別の給水管が損傷していて使用できない、という声はまだ耳にします。

ある集落では、地域の貯水タンク設備と簡易水道が地震で壊れたままで、そこに住む13世帯の方々は山道を下ったところにある公民館から水を汲んで運んで生活をしている状態が続いていました。高齢の方もいるため、大変な思いをされています。町による復旧工事は計画されてはいましたが、着工がいつになるか分からず、住民の方々は途方にくれていました。

写真1. 地震による倒壊した貯水タンク設備
写真2. 雨水などを貯めて生活用水に利用している

ADRAはこの地域の方々に寄り添い、先月、水道工事の専門家と共に、破損状況の調査を行いました。その結果、本工事までの繋ぎとして応急処置をすることで住民の方々の水汲みの負担を軽減できることがわかり、対応する準備をすすめました。そのうちに、町による本復旧の工事がはじまることになったため、ADRAでの対応は不要となりました。ただ待つしかなかった住民の方々を思うと一安心です。

写真3. 水源を確認する専門家

一方で、まだ対応が追い付いていない案件も多数あります。被災が広範囲にわたり、現地の業者さんも人手が限られる中で、多くの復旧作業を進めていくことは大変なことです。

ADRAでは、県外からの技術者の方が宿泊できる拠点を整備し、町の手が回らないような細かな課題に対応できる体制を整えています。多くの方々と連携し、少しでも早く住民の皆さんの困り事を解消できるよう、支援活動を続けてまいります。

(執筆:国内事業課)

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