ジンバブエ教育支援

ADRAは、ジンバブエでは1980年から活動をしています。この年は、ジンバブエがイギリスから独立した年でもあります。人種差別の問題や、経済の大混乱が起こり、コレラという感染症の大流行など、さまざまな困難の中、ADRAは緊急的な人道支援によって人々の命をつなぐ活動を続けてきました。

状況の改善に合わせてADRAの活動内容も変化し、現在では、自分たちの力で十分な栄養や食料が確保できるための支援や、水・衛生分野の支援、健康水準の向上や子どもたちの教育環境改善などに取り組んでいます。 

目次

すべての子どもに教育を

現在、世界全体の識字率は86%を記録し、30年前に比べ10%上回っています*1

*1 2020年=86.682%、1990年=74.316%
参照元:UNESCO Institute for Statistics ( uis.unesco.org ). Data as of September 2021.
https://data.worldbank.org/indicator/SE.ADT.LITR.ZS

しかし、依然として世界では、約6,300万人の子どもが初等教育すら受けられておらず、読み書きや計算ができません。学校に通えたとしても、約18%の子たちは小学校を中退。特に後発途上国の小学校中退率は41%であり、5人に2人は小学校を卒業できません*2。 

*2 学校に通えていない子ども=62,810,832人
参照元:UNESCO Institute for Statistics ( uis.unesco.org ). Data as of September 2021.
https://data.worldbank.org/indicator/SE.PRM.UNER

ジンバブエの首都ハラレから車で8時間。辺境ミッドランド州ゴクウェノース地区には、3つのサテライトスクール(チリサ小学校、クシンガ小学校、ネニュンカ小学校)があります。

サテライトスクールとは、国内の人口爆発に伴い、子どもたちの一時的な受け皿として建てられた仮設校舎を指します。

“仮設”なので床や屋根は隙間だらけで雨季には休校が多くなり、それが続くことで次第に生徒の出席率も悪くなってしまいます。さらには校舎自体の建設が間に合わず、青空教室の状態の学校もあるなど、多くの子どもたちが劣悪な環境下で学習をしています。

同地区には少数民族のトンガ族とンデベレ族が多く暮らしていますが、多数派であるショナ族が主体の政府からは、なかなか教育予算が下りないという政治的な事情もあります。

その結果、教育を受けることができない子どもの割合は13.2%に上り、国の平均である6.6%と比べて2倍以上多い地域となっています*3。加えて、こうした環境下の子どもたちは安定した職業に就けず、非行などに走る場合も少なくありません。

また、学費や教育維持費を支払える収入の家庭が少ないため、学校運営のためには、学校が自ら収入向上活動を行って資金を賄わなくてはなりません。しかし、得られる収入は少なく、現段階においても備品の購入・修繕などに充てる資金は不足しています。

こうした諸課題を解決すべく、私たちはそれぞれの小学校が自ら長期的に学校開発を行っていけることを目指し、2017年度から2021年度まで、以下の4つの支援活動を行ってきました。

①校舎、職員住宅の建設

村の住民から選ばれた建設作業員に対して職業訓練を実施し、政府規格に沿った校舎や職員住宅を住民自らの手で建設できるよう支援しました。

ジンバブエ 学校建設

建設に必要なレンガも、村のリーダーを通じて村人がボランティアとして自主的に制作にあたりました。これらの建設によって天候に関わらず授業を行えるようになり、またそれに伴いシラバスカバー率(計画どおり学習課程を進められた割合)も3校平均で93.2%となり、2021年(47.3%)と比べて大きく改善されました。

特別学級の設置

家庭の事情などで学校を中退してしまい、学習に遅れが出たり非行に走ってしまった子どもたちの受け皿として、各学校に特別学級を設置しています。

特別学級を通じて、諦めていた勉強を再開できるようになった子ども、周囲の人とうまくやっていけなかったけれど少しずつ人間関係を築くことができるようになった子どもなど、村の子どもたちにも変化が現れはじめました。

コロナ禍の学習環境の確保

コロナ禍で学校に通えず、オンラインで授業を受ける設備も整っていない対象校3校の子どもたちに、学習キット(文房具とテキスト問題集等)を配布しました。学習キットは自宅学習でも活用され、2021年は休校期間が約5か月あったにも関わらず、シラバスカバー率が大きく向上しました。

休校中はオンライン授業ができなくても、一部の対象地区住民は自主的に小規模学習グループを開催したり、学習キットを活用したり独自に工夫したりして継続的に学習に取り組む様子がうかがえ、子どもたちの学習意欲にも良い変化を与えました。

収入向上活動

備品の購入や修繕などの学校維持費を自分たちで創出していけるよう、学校開発委員会が自ら収入向上活動に取り組み、学校は少しずつ収入活動や資産を増やし、運営費に充てることができています。

収入向上活動では、学校の先生を含む地域の方々と丁寧な対話を続けることで、NGOに頼るのではなく、自分たちで問題を客観的に分析し、解決策を考え、よりよい学校運営を進めていけるようにサポートしています。

新たな地域への展開

2022年4月からは、ゴクウェ・ノース地区よりもさらにへき地の、ザンビアとの国境に近い西マショナランド州ニャミニャミ地区でもこれらの活動を取り入れ、住民参加型の学校開発支援に取り組んでいます。

この地区の子どもたちは、家計を助けるために労働力となって学校を退学したり、早婚で学業を捨ててしまうケースが目立ちます。

また同地域には野生の象が多く生息し、登下校時や授業中に危険が生じるため、生徒たちの通学距離をできる限り短くし、かつ、頑強な校舎が必要とされます。

天候次第で休校を余儀なくされることも重なり、年間スケジュールの半分しかこなせない事態が生じており、この地域の子どもたちの教育環境改善が求められています。

ジンバブエでの最近の活動

ジンバブエの教育支援は皆さまからの温かいご支援に支えられています

十分な教育環境が整うことで、どのような変化が表れるでしょうか。

たとえば、友人や先生との会話の中でコミュニケーション能力を養うなど、子どもの時期に身につけるべきスキルを育てることができます。また、読み書き・計算などの初等教育段階の学力を身につけることで、将来安定した収入活動を行うことができるようになります。

子どもたちが学校や教育の意義を感じられれば、将来彼らが親になった時に、自身の子を学校に通わせるようになるでしょう。このことは、慢性的な貧困状態を断ち切ることに繋がります。

これらの例は、ほんの一部にすぎません。 

私たちが目指すのは、全ての子どもたちが自立した生活を送るための基盤となる教育環境です。

そのためには物資や資金を提供するだけでなく、現地の方とコミュニケーションを取り、時間をかけて地域に根差した活動を続けることが大切です。

子どもたちの10年、20年先の未来を支える活動に、温かいご支援をよろしくお願いいたします。

平穏な生活を奪われてしまった方々のため温かいご支援をお願いいたします

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ご利用可能なクレジットカード

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決済完了後、クレジットカード会社のシステムを通してsupport_adra@adrajpn.orgより決済完了メールをお送りしています。メールの受け取り拒否設定をされている場合にはそのメールが届きませんので、こちらのアドレスの受け取り許可をお願いいたします。

郵便局からのご寄付(手数料免除)

金融機関からのご送金において手数料の負担が増える状況が続いていましたが、今回新しく手数料免除口座(ゆうちょ銀行の窓口でのみ利用可能)設けました。本事業は手数料免除口座の対象となりますので、下記を参考にご利用ください。

お近くの郵便局から、青色の払込取扱票を使って郵便局の払込窓口にてお振込ください。

口座番号:00140-0-697950
・加入者名:(特活)ADRA Japan

窓口で手数料免除口座であることを伝えて送金

※通信欄には「ジンバブエ教育支援」とお書きください。
 

【払い込み取扱票 記入例】

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事業を特定したご寄付をいただいた場合、ADRA Japanでは、ご寄付額の最大20%を事務局管理運営費などに活用させていただきます。また、指定された事業で支援の必要が満たされた場合、他の事業のために活用させていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

ADRA Japanについて

ADRAは、世界約120国に支部を持つ世界最大規模の国際NGOです。ADRA Japanはその日本支部として1985年に設立され、途上国や災害被災地において、人種・宗教・政治の区別なく、支援を必要としている方々に寄り添い、自立を助ける支援を届けています。日本では認定NPO法人を取得しています。


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ADRA Japanの支出内訳について

ADRA Japanでは、いただいたご寄付の20%を一般管理費としてお預かりし、ご寄付の入金管理や領収証の発行、お問い合わせの対応、活動のご報告等のために大切に活用させていただいております。また一般管理費の一部は、ご寄付が集まりにくい活動のためにも活用しております。災害被災地や途上国の活動への支出(事業費)と管理費の割合は、2021年度の実績では、事業費が89.6%、管理費が10.4%の割合でした。

寄付金控除について

ADRA Japan は東京都から認定を受けている「認定 NPO 法人」です。ADRA Japanへの ご寄付は、寄付金控除の対象となります。領収証は、ご住所のわかる方には毎年1月に、前年1月~12月までの分をまとめてお送りしております。ご希望の方には都度発行も可能ですのでお問い合わせフォームよりご連絡ください。

所得税の税額控除の場合、確定申告によって寄付金額から2,000 円を差し引いた金額の40%が所得税から控除され還付されます。また、寄付金額から2,000 円を引いた金額を所得から控除する所得控除を選ぶこともできます。

例:年間で30,000円のご寄付をした場合
所得税:(30,000−2,000円)×40%=11,200円
住民税:(30,000−2,000円)×10%=1,120円
→合計12,320円の控除(税額控除の場合)

*住民税の寄付金控除については、各自治体によって異なります。詳しくはお住まいの市区町村の税務担当課にお問い合わせください。

よくあるご質問

領収書は送ってもらえますか?

毎年1月に、前年分をまとめてお送りいたします。お送りする領収証を用いて確定申告をしていただくと寄付金控除を受けることができます。ご希望の方には都度発行も対応しております。ご入用の場合は、お問合せフォームよりご連絡をお願いいたします。

物を寄付したいのですが届けてもらえますか?

現在、活動地域周辺で必要物資の調達が可能です。送るのに時間と送料をかけるよりも現地調達のほうが効率がよく、地域経済を支えることにつながりますので物を送らずに支援しております。

寄付がどのように活用されるか知りたいです。

ご寄付をいただいた方には、年4回(6月、9月、12月、3月)の機関紙「ADRAニュース」の発送やメールマガジン配信(月末)によって活動の報告をさせていただいております。寄付がどのように役立てられているか、ぜひご覧いただけましたら幸いです。

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