ネパール|病気に悩む方への支援・環境整備

口唇口蓋裂患者への支援

1990年、ADRA Japanは「ネパール国内に、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)手術を行える医師が一人しかいない」ことを知りました。口唇口蓋裂とは、上唇の中央や上あごが先天的に縦に裂けている状態を指し、日本では500人に一人の割合で生じる疾患です。

その状態のままだと、生まれたばかりの赤ちゃんが母乳をうまく吸えず、食事ができる年齢になっても、咀嚼中に鼻から食べ物がこぼれ落ちてしまいます。また、発音にも支障が出ます。

当時のネパールは、人口のおよそ50%が文字の読み書きができませんでした。これは、貧しさに起因するものです。文房具を買えなかったり、進級テストの費用を捻出できなかったり、あるいは農家の労働力となって、小学校を中退せざるを得ないといったケースが見られました。

よって、口唇口蓋裂が手術で治る、という知識を持たない人が数多く存在しました。そればかりでなく、「妊娠中に母親が悪い行いをしたから」「前世での行状に問題があった」「日食の間に料理をしたからだ」「日食で暗くなった時に外出をしたから」等と根拠のない迷信が飛び交う有様でした。

口唇口蓋裂の患者とその家族は、好奇の目に晒され、迫害を受けていました。就職や結婚にも影響を及ぼしていました。

(ネパールの口唇口蓋裂を発症している子供たち)

そこでADRAは5年の歳月をかけて、ネパールの首都、カトマンズに近いバネパに、手術を施せる建物を建築し、その後、1995年から2019年まで医療団を派遣しました。毎年約60名の方に口唇裂、口蓋裂の手術を無償で行って参りました。

同時に、現地のドクターがこの執刀を行えるよう、指導も続けてきました。

「口蓋裂の手術を受けたおかげで、息を吹いてかまどの火おこしができるようになりました。煮炊きの時、鼻から空気が漏れてしまうので、かまどの火を大きくするのが大変だったんです」

21年目には、そんな声を頂きました。今日、ネパールの医師たちも順調に育ち、「あとは、私たちが口唇口蓋裂の手術をしますので、もう大丈夫です」といった報告を受けています。新型コロナウィルスが落ち着いたら、最後の施術訪問をするのみとなりました。

(口唇口蓋裂の手術を受けるネパールの子供)
(口唇口蓋裂の手術後の子供の様子)

子宮脱に悩むネパール女性への支援

また2023年に入ってからは、名古屋の企業、株式会社 トヨトミと連携し、376機の石油ストーブを調理用に贈呈しました。これは、子宮の一部または全体が体外に出てしまう子宮脱という症状に悩むネパール女性の負担を軽減することが目的です。

出産後わずか数日で体への負担が大きい野良作業に従事しなければならないネパールでは、若いうちからこの症状に悩む女性が多く、必要な治療の機会を得られないまま、慢性的な痛みとともに生活しています。

浄水装置の設置

さらにヤマハ発動機とも手を組み、ネパールでの浄水装置設置も始めました。当地の汚れた水は深刻な問題で、子供が病気になるケースが増加しています。

特に病院の少ないルンビニ州バルディア郡に、化学物質を使わずに塩素消毒のみで水衛生が保てる浄水装置を設けます。まもなく、その施行作業が始まります。

ご寄付の必要は状況を見て更新してまいりますが、ネパール支援のためにいただいたご寄付が活動地での必要を超えた場合には、ADRAが行うほかの緊急支援活動のために大切に活用させていただきます。

目次

ネパールの方々のため温かいご支援をお願いいたします。

クレジットカードまたは銀行からのご寄付はこちらから

ご利用可能なクレジットカード

クレジットカードおよび銀行からの寄付はこちらから↓

※ご寄付の前に、こちらのページのクレジットカードご利用案内をお読みください。

決済完了後、クレジットカード会社のシステムを通してsupport_adra@adrajpn.orgより決済完了メールをお送りしています。メールの受け取り拒否設定をされている場合にはそのメールが届きませんので、こちらのアドレスの受け取り許可をお願いいたします。

郵便局からのご寄付

金融機関からのご送金において手数料の負担が増える状況が続いていましたが、今回新しく手数料免除口座(ゆうちょ銀行の窓口でのみ利用可能)設けました。本事業は手数料免除口座の対象となりますので、下記を参考にご利用ください。

お近くの郵便局から、青色の払込取扱票を使って郵便局の払込窓口にてお振込ください。

口座番号:00140-0-697950
・加入者名:(特活)ADRA Japan

窓口で手数料免除口座であることを伝えて送金

※通信欄には「ネパール口唇口蓋裂」など支援内容をお書きください。
 

【払い込み取扱票 記入例】

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事業を特定したご寄付をいただいた場合、ADRA Japanでは、ご寄付額の最大20%を事務局管理運営費などに活用させていただきます。また、指定された事業で支援の必要が満たされた場合、他の事業のために活用させていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

ADRA Japanについて

ADRAは、世界約120国に支部を持つ世界最大規模の国際NGOです。ADRA Japanはその日本支部として1985年に設立され、途上国や災害被災地において、人種・宗教・政治の区別なく、支援を必要としている方々に寄り添い、自立を助ける支援を届けています。日本では認定NPO法人を取得しています。

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個人情報保護方針:https://www.adrajpn.org/privacy/
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ADRAでは、プロジェクトを指定したご寄付をいただいた場合、ご寄付の20%を一旦一般管理費としてお預かりし、ご寄付の入金管理や領収証の発行、お問い合わせの対応、活動のご報告等のために大切に活用させていただきます。また一般管理費の一部は、ご寄付が集まりにくい地域や分野の支援活動のためにも活用しております。災害被災地や途上国の活動への支出(事業費)と管理費の割合は、2021年度の実績では、事業費が89.6%、管理費が10.4%の割合でした。

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ADRA Japan は東京都から認定を受けている「認定 NPO 法人」です。ADRA Japanへの ご寄付は、寄付金控除の対象となります。領収証は、ご住所のわかる方には毎年1月に、前年1月~12月までの分をまとめてお送りしております。ご希望の方には都度発行も可能ですのでお問い合わせフォームよりご連絡ください。

所得税の税額控除の場合、確定申告によって寄付金額から2,000 円を差し引いた金額の40%が所得税から控除され還付されます。また、寄付金額から2,000 円を引いた金額を所得から控除する所得控除を選ぶこともできます。

例:年間で30,000円のご寄付をした場合
所得税:(30,000−2,000円)×40%=11,200円
住民税:(30,000−2,000円)×10%=1,120円
→合計12,320円の控除(税額控除の場合)

*住民税の寄付金控除については、各自治体によって異なります。詳しくはお住まいの市区町村の税務担当課にお問い合わせください。

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