皆さん、こんにちは!
ADRA Japanは、2022年4月からジンバブエの、ザンビアとの国境に近い西マショナランド州ニャミニャミ地区で、住民参加型の学校開発支援に取り組んでいます。
活動をしているマジャゾ小学校、マレンベジャ小学校、サウィラマカンデ小学校があるニャミニャミ地区は、「マトゥサドナ国立公園」と呼ばれる国立公園が隣接する地域です。
ゾウやクロコダイルをはじめとする野生動物と、村の人々の生活圏が混在しており、初めてこの地域に支援に入る事業チームスタッフにとっても、新しい発見が多いです。
ADRA Japanは、これまで8年間に渡り、ジンバブエのミッドランド州ゴクウェ・ノース地区で教育支援に取り組んできました。
その中で培った経験を活かし、ニャミニャミ地区では、住民が主体となって学校開発を実施していくための基盤づくりを支援する活動を開始しました。
対象としている3校の小学校は、ジンバブエ政府に正規登録されていないサテライトスクールです。
地域に野生動物が多く、通学中の危険があるため、子どもたちの通学距離を少しでも短くするために、村の人々によって設置されました。
資源が非常に限られている環境の中で住民たちが協力して作ったワラぶき屋根や木の下が教室となっています。
1校あたり、250人~450人の子どもたちが通っており、この地域の子どもたちにとって、なくてはならない学校ですが、ジンバブエ政府に正規登録されるためには、整った学校設備が必要です。
また、学校のすぐ裏にまで象などの野生動物が来る環境で、子どもたちが少しでも安心して授業を受けられるようにするためにも、丈夫な校舎は必要とされています。
これまで、学校は収入向上活動の支援などを受けたことがある一方で、財政がひっ迫するジンバブエ政府からの支援は乏しく、安定した収入源はありません。
そのため、教育環境の整備や学校の開発が進まない状態にあります。
こうした状況下で子どもたちが学び続けることのできる学校を整備していくためには、校長先生や教員、地域のリーダー、保護者からなる学校開発委員会の高い運営管理能力が必要とされます。
そして、施設管理はもちろん、維持管理に必要な収入の確保、予算管理、学校開発の計画づくりなどに、学校開発委員会メンバーたちが自ら取り組んでいくことが必要です。
こうした背景の中、私たちADRA Japanは現地のジンバブエ支部とともに、学校のインフラ整備を進め、学校が自分たちで持続可能な開発を行っていけるように、トレーニングを実施しています。
事業を開始して6か月が経つ2022年10月現在、まだまだスタート地点ではありますが、現地では少しずつこれまでの経験を活かした取り組みが行われています。
インフラ整備の一環で実施している校舎建設では、住民から選ばれた建設作業員をADRAスタッフが指導しています。
活動の中心となっているスタッフは、地域開発にも理解が深く、建設の知識もあり、技術的な指導もできます。
前のゴクウェ・ノース地区の活動でも、人々に寄り添った指導を行い、地域を支えた経験があります。
学校建設の資材となるレンガは、住民によって集められた水・砂利・砂などを使って、住民自身が作り、建設作業員はそれを用いて校舎を建てていきます。
住民主体で校舎建設を進めることで、建設後の施設管理や教育そのものに対する住民の意識向上につながり、さらには建設という専門的なスキルを身に付けた住民がその先のキャリアを切り開いていくきっかけにもなります。
もともとは何も無かったところに、住民たちが汗を流して運んだ砂や砂利が集まり、レンガが作られ、一段一段とレンガが積み上げられていき、現在では、窓枠の高さまで校舎が完成しています。
その経過を見るだけでも胸が熱くなります。
これらの活動を「学校開発の基盤づくり」と語るのは簡単ですが、本当の意味で住民参加型の活動に取り組み、人々に主体的な学びをもたらすためには、こまやかな配慮や辛抱強さが必要です。
それはときに遠回りにも見える道のりですが、私たちアドラのジンバブエ事業チームは、今後も丁寧に学校開発委員会や地域の住民の方々と向き合って活動を実施してまいります。
これからも、このニャミニャミ地区での住民やスタッフの奮闘、現場での変化などを発信していきますので、皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
※ ジンバブエ事業は、皆さまからの温かいご寄付と、日本NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しています。
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温かいご支援に心より感謝申し上げます。
(ジンバブエ事業 東京本部担当 高橋 睦美)