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Southern Sudan Repatriation of Sudanese Refugees

スーダン南部 ・ 帰還民支援事業 ・2009事業地だより vol.1

 

恋愛編      

自分が生まれるところは選べない。たまたま私は恵まれた国・時代・家庭に生まれた。たまたま彼(彼女)は内戦に翻弄され貧困が蔓延る国に、そして貧しい家庭に生まれた。異なる環境、文化、教育の中で生まれ育ち、多くの違いを持っていても、必ず共有・共感できる何かを持っている。この視点からパガック便りを書いていきたいと思う。スーダン事業地「パガック」に着任して約3ヶ月。まずはスタッフの恋愛編から始めたいと思う。

「好きになる」「愛する」という気持ちはどこまで世界共通なのだろうか。


Sudan 

 

パガックでは女性は早くて12歳、男性は15歳くらいになると結婚できるというか、結婚してしまう場合が珍しくない。結婚にいたるシステムは、男性自身や男性の両親が、選んだ女性の、本人ではなく、彼女の家族に対して申し入れをし、双方の家族が「支払う」牛の数を交渉、合意すれば結婚は成立する。女性は相手の男性がいくら不細工でも、生理的に受け付けられなくても、他に好きな人がいても、断れない。早婚と「支払い」制度のため、女性は教育を途中放棄することになるし、家庭内暴力の被害者になりやすい。


Sudan 

 

婚前恋愛はないのか?
あるけれども、コミュニティーに知れ渡ると結婚させられることになるし(男性側の視点)、自由恋愛という概念はない。

離婚・再婚はないのか?
あるけれども、家族同士が話し合い、子どもの数を考慮して牛を一部返すなり、さらに牛を支払うなり、牛の交換と家族の合意で成り立つ。結婚も再婚も、かっこよさや性格のよさの度合いも関係なし、牛を多く出せた男性勝ち。その上、一夫多妻制。

ADRAのスタッフの90%以上は結婚して子どもを持っている。ということはうちのスタッフの多くが上記の制度内のプロセスを踏んでいるわけである。そう思うと、毎日朗らかに鼻歌を歌ったりしているコンパウンドのクックたち(女性)の明るさが不思議に思えてくる。そして、まじめ、誠実で純粋そうなスタッフ(男性)が「○○は妻が二人いるんだよねぇ・・」と言っているときのうらやましそうな顔を見てかなりショックを受ける。

このような制度の中で、女性たちはきちんと恋愛しているのであろうか。男性も女性に対してどのような想いを抱いているのであろう。「好きになる」「愛する」は本当に世界共通か?

 

Sudan 

 

そう思っている中、ちらっちらっと答えのヒントになりそうなエピソードに偶然に遭遇する。セキュリティーガードはお昼を取りにそれぞれの家に戻ることになっているが、ある日事務所内の業務の関係で3時過ぎになってしまった。「お昼にいってきます」と自転車に乗って出かけたと思いきや、数分後に戻ってきた。おや、と思ったら木陰の下で女の人といい感じに話しこんでいる。1時間くらい経った後に満面の笑顔で“You see my lady?”とそのセキュリティーガードは聞きにきた。どうやら彼の帰りがあまりにも遅いから、彼の妻が一時間近くかけて歩いてお昼を持ってきてくれたらしい。”My wife”でも”my woman”でもなく”my lady”というところがまたいい。これは、結婚したてだな?と決め込んだら、「結婚したのは8年前です」。・・・ん〜。だが、ちなみにこの彼も牛が買えれば二人目の妻は欲しいみたい。

当事業の現地では、ちゃんとした教育を受けている女性が少なく、雇用したスタッフも女性は多くない。クックたち、クリーナーたちは女性だが、事業運営に関わる女性スタッフは二人だけ。この二人、いかにも気も芯も強そうな、女性の私から見てもカッコいい女性たちである。以前、そのうちの一人は、女性に対して差別的な歌詞を持つ伝統的な音楽を口ずさみ始めた男性スタッフを相手に、大喧嘩を始めたこともある。そんな彼女に、「あなたの夫はあなたに手をあげたことはある?」と聞いたことがあった。そうすると、まさか、ありえないという勢いで否定するので、こっちはほっとする。じゃ「二人目の妻を持つことにも反対だよね?」と同じ調子で聞き返したら、Yesと答えが返ってきたけど、あれ?さっきの勢いがない。すると彼女は一瞬だけ下を向いて寂しいような暗い表情をかすかに見せたあと、次の一瞬には元の強気な顔に戻っていた。こんなに強気でモダンに思える彼女でもかぁ。ここでは喧嘩防止のため、それぞれの妻に家を一軒ずつ設ける決まりになっている。一夫多妻制度が普通に健在でも、女性の嫉妬も健在。

現段階では、どのようなルールの下にあるかは異なっていても、「好きになる」「愛する」気持ちは世界共通と考えているが、これは色眼鏡をかけて物事を見ているからかもしれない。この考えを変えるほかのエピソードに遭遇したいような、したくないような・・・。


Sudan 

2009.03.28更新

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