★「魔法の国」「野生の王国」そして。。。
今回はナイロビにあるADRA South Sudanが主人公です。 By Azusa Chiba
あれ?こないだADRA Sudan紹介してたじゃない?と思った人、すばらしい。
スーダンには、前回紹介したADRA Sudanと、ADRA South Sudan。2つもADRAがあるのです。これにADRA Japanが仲間入りして、現在ADRA3兄弟、活躍中。
どうして2つもADRAが出来たのかというと。
スーダン内戦は、北の政府軍と南のSPLM軍との戦争でした。(30字以内で言うとね。)2005年1月の和平合意後も、スーダン南部はSPLMの勢力下にあります。
実際はこんなに簡単な話じゃないのですけどね。こうして南北が戦っていたのです。
例えば私は南側の許可書を持って入国しているので、スーダン政府の統治下にある北部には入れません。
このような複雑な政治下、でも助けを求めている人がいる。これに対応すべく出来たシステムが、北側でスムーズに働けるADRA Sudanと、南側でスムーズに働けるADRA South Sudanの2つの組織なのです。
さて。ADRA South Sudanの本部はナイロビにあります。
閑静な住宅街の一角。
玄関を入るとすぐ右側が、ADRA SS受付のドアです。
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訪問者の貴方は、
受付嬢ジェーンに呼び止められます。
「どなたとアポイントをお持ちですか?」
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それではまず、ADRA South Sudan代表、
クレメントに挨拶しましょう。
語り口柔らか、スーツに身をつつんだクレメントは、見た目やり手のビジネスマン。
スーダン人の彼は静かな情熱を持ち、柔軟な姿勢で組織を御しています。
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財務のことで質問があるなら、
この人、セルマです。
フィリピン人の彼女
もう6年もADRA SSを支えています。
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真っ白で泥の落ちてないオフィス。
電気の供給もインターネットの接続もあるオフィス。
スーダンの藪の中から出てくると、
こんな当たり前のことが
「魔法の国」のように見えます。 |
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おっと、ついでに「野生の王国」にも
紛れ込んでしまいました。 |
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話しを戻して。
この綺麗なオフィスも12月で見納め。
ADRA SSは本部を今年中にスーダンに移すのです。
これがどういうことかというと。ADRAJapanが東京の事務所を閉めて、全スタッフがアジアのどこかの国に移動して働く、といったところでしょうか。引越し代も、日本への帰省の飛行機代も、現地の宿舎も与えられず、生活環境はとてつもなく厳しくなるのに給料は変わらない。こんな条件で、行きますか?
でも、辞める人は少ない、と話を聞きました。
皆、辞められない。行きたくなくても、行かざるを得ない。
それだけ、ケニアで仕事を得るのは厳しいのです。
ケニアはすごいです。物が沢山あって、ケニア人は教育を受けてて、働き者です。
スーダンから戻ってきた私には、「魔法の国」、「素敵な野生の王国」、そして「先進国」のように見えていました。
でもこの国は、長年に渡り大きな経済格差、就職難という課題を抱えています。
スーダンに発つ前、身近なところでこんなケニアの問題に直面し、選択肢のないスタッフを目の前に、せつなさで胸が押しつぶされそうになりました。
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