◆活動概要
ADRA Japanが活動をしているカオバン省は、首都ハノイから約300Km離れた北部山岳地帯に位置します。300Kmと聞くと大した距離ではないように感じますが、くねくねと曲がった山道や舗装されていない道が続くため現地まで車で約
7時間かかります。そして、省都から北に約2時間走ればそこはもう中国との国境です。省内の人口は少数民族がそのほとんどを占め、彼らはこの厳しい山岳地帯で貧しい生活を送っています。
カオバン省は、ベトナムの中で最も妊産婦死亡率が高い地域の一つです。特に農村部に住む少数民族の間では妊娠・出産に関する知識が低く、医療従事者の介助なしに自宅で出産する人が多いのが現状です。そのため妊娠中や出産中・後の合併症への対応が遅れやすく、流産や死産も少なくありません。
ADRAの現地支部であるADRAベトナムは、これまでカオバン省チュンカン郡で母子保健の小規模事業を実施してきました。ADRA JapanはADRAベトナム支部と協力して、これまでの事業の経験も生かしながらカオバン省において母子保健改善のための事業を実施していく予定です。
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| コミューンのクリニック |
ベトナムの北部山岳地帯 |
◆ニーズ調査
母子保健改善事業を実施するにあたり、ADRA Japanはニーズ調査を実施しました。カオバン省内の3つの郡を対象に調査をした結果、ADRAベトナムが母子保 改善事業を実施してきた郡においては以前よりも改善が見られ、逆に過去の事業対象地域ではない省都から遠い郡においては医療設備や住民の間での知識
が不足していることが分かりました。さらに、農村部においては地理的状況や 貧困も影響して、人々が病院やクリニックなどの医療施設に行くことが難しい ため、住民と近い立場にある村やコミューンのヘルス・ワーカーや伝統的産婆のスキルや知識の向上が緊急に必要であることも分かりました。
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| クリニックでの調査 |
カオバン省の若い母親たち |
◆事業計画
ニーズ調査結果を受けて、ADRAはカオバン省の中でも省都から最も遠く開発が遅れているバオラム郡において母子保健改善事業を実施することを決定しました。主な活動内容は、コミュニティの中で住民と接する機会が多いコミューン・村のヘルス・ワーカーと伝統的産婆を対象としたトレーニングと、コミューン・レベルにおける母子保健委員会の立ち上げを通して対象地域の母子保健向上を目指すことです。また、現地の医療施設の設備向上として、対象郡の郡病院の水供給施設建設とコミューン・クリニックへの医療器材供与も計画をしています。
◆ADRAベトナム紹介
ADRAはアメリカからの医療物資輸送を皮切りに1988年、ベトナムへの支援を始めました。その後1993年まで、当時タイにあったADRAインドシナ事務所を通して小規模救援から開発までその事業分野を広げ、主に南部地域で活動をしてき
ました。1993年には首都ハノイにADRAベトナム支部が設置され、ベトナムにおける本格的な活動を開始しました。以降、ADRAベトナムは約50省で75以上のプロジェクト実績を重ね、ADRAの国際ネットワークを通して日本、オーストラリア、カナダ、ドイツ、デンマークなどの国々から支援を受けて活動をしています。
近年は特に保健分野(HIV/AIDS、リプロダクティブ・ヘルス)、水衛生、経済開発に力を入れており、北部のカオバン省では保健分野を中心に、南部ではカウ・バンク(Cow Bank)など経済開発のプロジェクトを実施中です。
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学校で行われた 保健啓発ワークショップ |
性感染症に関する ワークショップに参加する生徒たち |
◆担当者プロフィール
伊丹知子:学生時代、ADRA日本支部のコソボ・ボランティア・プログラムに参加、ウズベキスタンの日本センター(JICA)にてインターンを経験。その後、学生インターンとして働く。卒業後、スタッフとして海外事業やボランティア・プログラムなどの人材育成事業、国内事業を担当。2006年4月よりADRAベトナム支部に派遣。
◆ブログの紹介
現地のことをより詳しくお伝えするため、ブログ「ベトナム便り」を開設しました!
業務の様子やベトナムの文化、その日に考えたことなどを写真付きで日々更新しています。
http://adrajpnvietnam.blog64.fc2.com/

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