
ADRA Japanの医療チームは、日本人の形成外科医、麻酔科医、看護師、臨床工学技士、薬剤師、栄養士などで構成されています。この医療チームを、首都カトマンズから車で1時間ほどのところにあるバネパ市のシーア記念病院に派遣します。
2009年度までに計14回医療チームを派遣し、のべ750人近くの患者を手術してきました。参加する医療従事者は、全員がボランティアです。
ネパールの人々の多くは現金収入を得る手段がなく、貯金もほとんど持っていないため、この事業では薬剤費や入院費などの治療費のほか、患者が家から病院に来るまでの交通費、付き添い家族の滞在費など、すべての費用をADRA Japanが負担しています。これにより、地方の貧しい患者でも手術を受けることができるのです。
一人でも多くの患者さんに笑顔が戻るよう、ADRAでは今後も引き続き口唇口蓋裂医療チーム派遣事業を行なっていくほか、現地の医療従事者との交流も積極的に進めていく予定です。
ADRA の現地スタッフがネパール各地を訪れて口唇口蓋裂が手術で治ることを伝え、医療チームの派遣期間中に来院するように勧めます。近年は、過去に手術を受けた患者やその家族から医療チームのことを知り、何日もかけてバネパ市の病院まで歩いて来る人もいます。
体重・身長・血圧などの測定と尿検査や血液検査を行い、患者の状態を確認します。
麻酔科医は内科聴診と問診で患者の体調を確認し、肺炎などの疾患の有無についても確認します。さらに形成外科医が口唇口蓋裂の状態を診察し、手術法を検討します。
問診が全て終わると、口の中を清潔に保つための歯みがき指導を行います。看護師が歯の模型やイラストなどを使い、小さい子どもにも分かりやすく歯みがきのやり方を説明します。
| 術前診察を待つ患者 |
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| 形成外科による診察 |
| 麻酔科による診察 |
| 身長、体重、血圧などを測定 |
| 歯みがき指導 |
手術の前に患者は体と髪を洗います。
手術は全身麻酔で行われます。症例によって手術時間は異なりますが、口唇裂は約1~2時間、口蓋裂は2~4時間ほどかかります。特に難しい症例の場合、8時間近くかかることもあります。
| 手術前のシャワー |
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| 麻酔の様子 |
| 手術の様子 |
手術後、口唇裂患者は1日から3日、口蓋裂患者は1日から5日ほど入院します。医師の許可がおりれば退院しますが、口唇裂患者は抜糸するまで、口蓋裂患者は状態が安定するまでは病院近くのホテルに滞在し、毎朝通院して消毒などのケアを受けます。
口唇裂患者の抜糸は術後一週間を目処に行ないます。口蓋裂患者には、一定の期間が経つと溶けてなくなる特別な縫合糸を使っているため、抜糸は行ないません。
| 病棟での術後ケア |
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| 毎朝おこなわれる回診 |
| 口唇裂患者の抜糸 |
医師から退院許可が出た患者は、笑顔で自分の村に戻っていきます。この笑顔がボランティアで参加している医療チームのメンバーにとって最大の喜びです。
この事業の参加者は、各自で休暇を取り、報酬なしで協力してくださっています。ある形成外科医の「ここで得られるのはお金ではなく、生きがいであり、医療の原点なんだ」という言葉が胸に響きます。
| 送別セレモニー |
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| さようなら!! |
| 2008年の参加者と現地スタッフ |